「良い案件に巡り会えない」
「なかなか仕事が受注できない」
駆け出しフリーランスや、これから独立しようと考えている人が直面する大きな悩みの1つですね。
ですが、意外にも自分でその案件自体を制限していたり、良質だった案件を自らで質を下げてしまっているというケースは少なくありません。
今回はそういった人たちへ向けて「良質案件を獲得するための3つのプロセス」をご紹介します。
スタートは必ず頷く
仕事の依頼があれば、まずは頷くことを心がけて置きましょう。これが意外と重要で、多くの人がこの段階でバリアを張ってしまい、せっかくの良質案件を逃してしまっているのです。
もし案件獲得自体に苦戦している人は、選り好みをせず足を踏み入れると考えて置きましょう。クラウドソーシングサービスを利用したり、セミナーに参加してみたり、旧友の集まりに参加してみたり、案件獲得につながるルートは多く存在しています。
情報収集と考える
具体的な内容を聞いてみなければ、その仕事の内容はわかりませんね。ですが多くの人は、ざっくりとした説明だけで「金額はいくら?」「それはやったことがないから無理」と決めつけてしまいがちです。
実は、ファーストアプローチの段階では金額は後回しにしても良いのです。もちろん、詳しく話を聞いてから、全く自分が該当しないことが発覚すると「時間の無駄」だと考えてしまうかも知れませんが、情報収集をしたと考えれば無駄にはなりません。
そういった業務が存在すると知れたこと、意外と需要があると知れたことに十分価値があるからです。
但し、中には宗教ビジネスやMLM(ネットワークビジネス、マルチ商法)などといったものもあります。
ここでもし、話を聞くために自分がお金を負担しなければならないのであれば、キッパリ断る方が良いでしょう。お金を稼ぐためにお金を払うというのは、ビジネスモデルを考えれば正しいかも知れませんが、案件を得るという段階でお金を払うのは全くの無意味だからです。
SNSに力を入れていれば、ネットワークビジネスの勧誘を受けることも多いはずです。もしその内容を聞くのにお金がかからず、実際にどういったシステムで成り立っているのかがわからなければ、話を聞いてみるのも良いでしょう。
冷静に分析すれば、どういった落とし穴があり、どういったメリットが存在するのかがわかります。もちろん、最初からネットワークビジネスに手を出す気がないのであれば、情報収集という本質を忘れずキッパリと断るようにしておきましょう。手を引くポイントを見誤らないということも大切です。
隠された案件を見つける
情報収集にはもう一つ大きな意味が隠されています。無駄かも知れないが話を聞いてみると、その提案された案件意外に人手が欲しいと考えている案件が存在するかも知れないということです。
私の経験であれば、看板デザインの作成依頼で話を聞きにいったら、最終的にはHP制作の案件をいただくことになったことがありますし、HP制作依頼からマーケティングの仕事を頂いたこともあります。
他にも、自分が全くわからないような業務内容で話を聞きに行った結果、別のことを依頼されるということは多々あります。ですが、これが継続案件につながるような、良質案件になるのです。
ここで、仕事を依頼する立場で考えてみましょう。
HP制作であったとしても、どんな会社に頼めばいいのか、どのぐらいまでやってくれるのかは頼んでみなければわかりませんね。これがプロジェクト単位であればより困難を極めます。探すという視点からしても大変でリスクがあるからこそ、知っている人に頼みますし、どういった相手に頼めばいいかわからない業務は保留状態で止まってしまうのです。
そして、これを「案件」に成立させるきっかけを持つのが受け手側です。
だからこそ、プロジェクトの匂いがすればその話を聞いてみることです。無駄足かも知れないような提案でも、大きな案件に化ける可能性があるのです。
聞きながら判断しない
実は、良質な案件に巡り会えないと考えている人の大半が、自分でその質を下げている傾向があります。
そうならないためにも、「聞くとき」と「判断するとき」は分けておかなければなりません。
その場での金額返答はNG
予め金額が確定している場合は、その通りに返答するだけですが、相談を受けてからその内容に合わせて見積もりが必要になるケースもありますね。そんなときの即返答は絶対にNGです。できれば、ぼかした返答も止めておくほうが良いでしょう。
フリーランス時代であれば、業務委託を受ける際に1時間の単価を聞かれることがありました。ですが、業務内容がどういったものか、詳しく聞いてみなければわかりませんよね。
そこで、安易に金額を答えてしまえば、後々苦しい結果になることも考えられます。
情報収集をする段階では、主観的な立場となります。どうしても良いようにとらえてしまいますし、相手も良いようにアピールしてきます。ですが、それを一度客観的視点を加えて考えてみなければ、その本質に気づくことができません。
その打ち合わせの帰り道、よくよく考えてみれば良い話では無かったと気づくこともあるはずです。その気づきを踏まえて、最適な価格設定をしたり、受けるべきかそうでないべきかの判断をしなければなりません。
また、これはネットワークビジネスや宗教、保険の勧誘に対する対応でも同じことが言えます。最も良い対処法としては、その勧誘に参加してしまわないことですが、もし怪しげなセミナーや2対1の話し合いに参加してしまったとしても、結論を後回しにすることで回避することができます。
「その場では判断できない」という姿勢を絶対にしておくことで、どんな良い話を持ちかけられようが、上手く口説かれようが回避できます。
また、その場で返答しなければならないと言われる場合は、断るほうが良いでしょう。鮮度を意識しなければならないものは、あくまで自分が判断することであって、相手が判断することでは無いからです。
持ち帰ったらすぐ返答
客観的視点を取り入れるとしても、返答を先延ばしにし過ぎるとメリットがありません。
なぜなら、主観的に「良い」と思い、客観的に「悪い」と思ったものを放置すれば、「良い」という考えが先行してしまうからです。
時間が経てば経つほど、人間は危機的意識を持ち始めます。
「この案件を逃せば次の機会はいつになるんだろう・・・」
「提示金額が大きすぎて、断られたらどうしよう・・・」
ですが、こういった考えは完全に負のサイクルに陥ります。
主観的立場、客観的立場で考えられた場合、それを結論として確定させることが大切です。そのため、帰路で考え、夕飯を食べながら頭を悩ませたぐらいで出た結果が丁度良い地点になるのです。
もちろん、それで100%正しい答えが出るとは限りません。ですが、それを良い成功の糧にするためにも、しっかりとした判断基準を持っておかなければならないのです。
決めた姿勢を貫く
結論が出れば、それを徹底的に貫く姿勢をもつことです。これがブレてしまえば、せっかく良い判断を下したにも関わらず、ジリジリと首を締めてしまうような結果になります。
良い方向への提案は受け入れても良いですが、自分が損をする方向への提案であれば、じっくり考えてみてください。
また、金額提示の場合は「提案金額」と「譲歩限度金額」を決めておくことで、より判断はしやすくなります。
揺るがない結論
「この案件は価値がない」と思えば、どんなアプローチがあったとしても断り続けるべきです。ですが「この案件はとるべき」と考えたのであれば、提示した金額でしっかり押し通しましょう。
案件をとることを優先して金額に迷いがあれば、前項でも説明したように自分で案件の質を下げてしまうことになります。なので最低ラインは設けて置くほうが安全だと言えます。
また、業務委託の場合であれば、範囲が大きくなりすぎないように気をつけてください。
提案すれば価格設定をするなどして、提供内容に見合っただけの作業を提供しなければ、労力だけが先行してしまって縛られ、新たな案件を受けられなくなってしまう可能性があります。
譲歩に注意
決めた結論を揺るがす大きな要因が譲歩です。これはいろんなパターンがあるので、臨機応変に対応しなければなりません。
こちらから見積もりを出した場合で考えてみましょう。
その金額が高額だったため、相手が「部分的に依頼をしたい」と譲歩してきたと考えてみましょう。業務量的にはその金額に見合っているかも知れませんが、その落ちた金額で業務を請け負うことが果たしてプラスになるかは考え直さなければなりません。
クレジットカードで分割払いをすれば、それだけ手数料が発生するのと同様です。
業務量が減り、その分金額が減ったとしても、案件が1件増えたことにはかわりありません。請求業務も増え、対応にも時間が取られる分、分割される方が労力だけが増え金額が見合わなくなってしまうのです。
どうしても確保したいという案件もあるはずです。金額以上にそのコネクション自体が別の仕事へ派生する可能性を秘めているといった場合です。であれば必ず「譲歩限度金額」を設けておいてください。
この譲歩限度金額は自分に対してのセーフティーとなります。もし相手がその金額を割った提案や要求をしてきた場合は、必ず断らなければなりません。なぜなら、それはコネクションも含めて見合っていないと判断すべきラインだからです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は「フリーランス必見!良質案件を獲得するための3つのプロセス」について説明しました。
案件獲得が目的になってしまい、仕事をしても十分な収入が得られていない人や、案件そものもに上手く巡り会えない人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。