終身雇用のほとんどが崩壊している今、学生の頃から独立や起業を考えている人は多いですが、安易な決断は危険です。
独立するには早すぎるのも良いとは言えず、また遅すぎることもそれなりにリスクです。
SNSやメディアでも学生起業などが騒がれていますが、それに影響されてしまうのはかなり危険なことです。
今回は、そういった志を持った人に向けて「20代の独立が成功のカギ」について説明します。
学生からいきなり独立は危険
学生起業などが多くのメディアで取り上げられることで、そういった人に憧れや自分への焦りを覚えてしまい、学生の頃からフリーランスや起業をしなければいけないと考えてしまう人がいます。ですが、これはオススメできません。
また、SNSの中にもそういった人は多く存在します。ですがこれも罠です。
メディアもSNSも目につくものは一部であり、メディアに関しては稀だからこそ取り上げられているだけであり、SNSに関しては信憑性も薄ければ、その後どうなっているかが明確でないものがほとんどだからです。
クライアントがいるなら問題無し
学生からいきなり独立をするということのデメリットは、クライアントがいないということです。
もし、アルバイト等でクライアントを確保できていたり、サークルなどの活動で企業とのつながりがあり、それで十分な収益があれば、それを頼みの綱として独立するのは有りだと思っています。
就職を経験しなければ、どういったことが仕事として成立するのか、クライアントとのやり取りはどうすればよいのか、どういったところにクライアントが居ているのかが掴めない人がほとんどでしょう。
だからこそ、それを一度社会に出ることで経験してから独立という方法を選ぶべきです。
家が自営業をしていたり、親がフリーランスとして活動している関係で、そういったノウハウが身についている人であれば、就職をしなくてもアドバイスをうけながら進めていけますが、そうでない人は周りの華やかな情報に惑わされて独立や起業をするのは、明らかに無謀だと言えます。
中小企業のアルバイトが狙い目
中には、どうしても学生の間にスキルを磨いて、就職せずに起業や独立をしたいという人もいるでしょう。
そういった人は、いろんなアルバイトを経験してみることをオススメします。なかでも、中小企業にアルバイトをするのがいいでしょう。
一概には言えませんが、中小企業であれば代表や経営者との距離が近く、お金の流れや仕入れのノウハウ、またはクライアントの対応などを経験したり目に見える場所で行われていたりします。
そういった会社の流れを知ることが、独り立ちするときには必ず役立つので、できる限り情報として得ていた方が参考になります。
その会社がどういったことで利益を得ていて、人経費にどれぐらいかかっているのかなどが分かれば、自分でビジネスモデルを作る際に大いに役立ちます。
ただ、そういった情報はあまりアルバイトの立場では知ることができないのも確かです。であれば、よりいろんな職種を経験して、どういったことが仕事として成り立っているのかを知るのも一つの手です。
1点集中で仕事をするのは楽で給料もアップしていきますが、もし経験値を優先するのであれば1〜3ヶ月単位で転々とする方がより効率的です。
30代の独立は遅すぎる
1度でも社会経験を積んでから独立する方がオススメですが、それが遅すぎることにも注意した方が良いでしょう。
私の経験から、30代になってからの独立は遅すぎると考えています。
ただ勘違いをしてほしくないのが、30代になったから独立は諦めた方が良いということではないということです。
経験が長すぎると保守的になりがち
社会人経験が長い人が独立をすると、そこでかなり保守的な仕事をしてしまいます。それは、リスクを考えすぎて新たな事業に挑戦できなかったり、既に開拓されて結果が出ているような単価の下がったビジネスしかできないということです。
30、40代で独立を目指している人に会って話すことがたまにありますが、決まって言うのが「それって儲かるの?」という言葉です。
残念ですが、儲かるかどうかはその人の行動力次第で、100%儲かるような仕事などありません。もしそれを断言する人がいれば詐欺やネットワークビジネスとして勧誘されていると考えておいて良いでしょう。
ですが、長い社会人経験を積んできた人にとってその発言はごく自然なことのようです。
なぜなら、いろんな修羅場をくぐり、そのビジネスの最適解を求めてきた結果、リスクを取らないような思考へ移行したからです。
中には、挑戦的な姿勢で取り組む方もいます。ですが、多くの人は自分の経験値を過信してしまって、リスクを取らないという考えにシフトしてしまっています。
積み上げた社会経験は、独立・起業後に役立つことも多いので必ずマイナスになるとは言えませんが、最初の決断をするという点に置いてはほとんどの場合で足枷となっています。
なので、もし30代以上で独立を考えている人はリスクにとらわれすぎずに行動するということを頭に入れておきましょう。
そして、そういった多くの人が「後がない」と考えていますが、人生100年時代と言われる今ではそんなことは全くありません。
私の知り合いでは70歳オーバーでも、毎日のように新しい挑戦をしている人もいます。
士業は逆
これは私の専門分野と違いますが、士業など実務経験が必要な仕事に関しては20代での独立は意識しなくても良いでしょう。むしろ最初はデメリットが多いです。
もちろん、独立するために必要な年数などを考えても20代というラインは無理に目指すべきではないと思いますし、頼む側としてもある程度貫禄がある方が安心できるということです。
私は20代なので、もし同じ年代の税理士さんや社労士さんがいれば、親近感を覚えて依頼すると思います。ですが、これがもう少し年配の人の会社であれば、中々そういった若い税理士さんに頼むのは決断がいります。
年齢を気にしていてはいけないという意見はもっともですが、結局は多くのクライアントが年齢を気にしている以上、ある程度それに沿った条件を意識しておくことが必要だということです。
若さと勢いは役立つ
士業では若すぎるとデメリットになるということをお伝えしましたが、私がいるエンジニアやデザイナーといった世界では逆です。
若い子を応援したいという気持ちを持った起業家は多く、その経験の浅さを気にせず仕事を頼んでくれる人がかなり多いです。
若さを理由に仕事を頼む
Web業界では特に、若さは武器になります。
発想の若さを買ってくれることや、フットワークの軽さに好感度を持ってくれたりして、経験以上に人という単位で見てくれます。
そして多くの人が、その場の利益以上に成長への投資ということを言って仕事をくれるのです。
中には、若すぎるということで懸念する方もいます。
ですが、それ以上にこのメリットは存在しており、継続的な案件に繋がりやすいというのも事実です。
ただ、若さにつけ込んで怪しいビジネスの話を持ちかけてきたり、保険や共済などを提案してくる人も多いのも確かです。
こういったものは、自分がその内容を理解できなければ断るようにしておかなければ、長期的にみて大きな足枷となってしまいますので、十分に注意しておきましょう。
抱えているリスクが少ない
これは人によりますが、こどもが既にいたり結婚していたりするとそれだけリスクを抱えているということになります。
そういった意味でも、20代という早い段階から動き出すことをオススメします。
こどもに関しては、必ずお金が必要になってしまうので親に頼んだりできなければ動き出せないという人も多いでしょう。
もし結婚している場合は、共働きをすることで生活を支えたり、お互いで協力することで業務を分散することもできますが、必ずそれに対する同意が必要になり、それで決断に対するストップが入ったり行動に制限が生まれることもあります。
ただ、これにはメリットもあります。それは自分のモチベーションに対する効果です。
こどもがいれば、収入がなければやっていけないという危機感が生まれるため、仕事に対する原動力になります。
また理解あるパートナーであれば、それが良い監視の目となってくれることで、仕事に対する甘えを取り除いてくれることもあります。
年齢も環境も、考え方や利用の仕方1つでプラスへと転換する方法があるということです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は「20代の独立が成功のカギ」について説明しました。
学生など若い方だけでなく、既に30、40代で企業戦士から脱却したいという人にとっても役立つ内容ですので、ぜひ参考にしてくださいね。