プログラミング

ゆびをふる編 PHPポケモン 69

PHP PHPポケモン ポケモン
ゆびをふる編 PHPポケモン 69

ゆびをふるとは

今回PHPポケモンで実装する技は「ゆびをふる」です。 

ゆびをふる(ポケモンwiki

 

「ゆびをふる大会」というゆびをふるのみを使った大会なども開催されているということもあり、ポケモンの技の中でも初代から長く愛されてきた1つです。ですが、他の技とは違って通常の追加効果処理では実装できないため、前回に引き続き特別処理を加えながら実装していきます。

 

技のランダム選出

ゆびをふるといえば、使用することでランダムで技が選出されるという変化技です。覚えていない技はもちろん、一度も使ったことの無いような技が選出されることもあります。

技の実装方法としては、現在作成されている技クラスをランダムで選出することで、自分の技として使えるようにしていきます。

 

対象外の技

ランダム選出されるといっても、全技が対象というわけではありません。例えば、ゆびをふるを使って「ゆびをふる」が選出されることはありませんし、前回実装した相手の技をコピーする「オウムがえし」が繰り出されることもありません。

 

対象外の技(第1世代)は以下の通りです。

オウムがえし、カウンター、へんしん、ものまね、ゆびをふる、わるあがき

 

では、ゆびをふるの技クラスを作成していきましょう。

 

ゆびをふる(/Classes/Move/MoveMetronome.php
<?php
$root_path = __DIR__.'/../..';
require_once($root_path.'/Classes/Move.php');
 
// ゆびをふる
class MoveMetronome extends Move
{
 
    /**
    * 正式名称
    * @var string
    */
    protected $name = 'ゆびをふる';
 
    /**
    * 説明文
    * @var string
    */
    protected $description = 'わざのどれかをランダムで繰り出す。';
 
    /**
    * タイプ
    * @var string
    */
    protected $type = 'TypeNormal';
 
    /**
    * 分類
    * @var string(physical:物理|special:特殊|status:変化)
    */
    protected $species = 'status';
 
    /**
    * 威力
    * @var integer|null
    */
    protected $power = null;
 
    /**
    * 命中率
    * @var integer
    */
    protected $accuracy = null;
 
    /**
    * 使用回数
    * @var integer|null
    */
    protected $pp = 10;
 
    /**
    * 対象
    * @var string
    */
    protected $target = 'friend';
 
    /**
    * ゆびをふる 特殊効果
    * @return object::Move
    */
    public function exMetronome() :object
    {
        // ブラックリスト
        $black_list = [
            // ゆびをふる・オウム返し・わるあがき・ものまね・カウンター・へんしん
            get_class(), 'MoveMirrorMove', 'MoveStruggle', 'MoveMimic', 'MoveCounter', 'MoveTransform'
        ];
        // 技クラスをランダムで取得
        $move_list = glob(__DIR__.'/*.php');
        // クラス名部分のみを抽出した配列に変換
        $move_list = array_map(function($path){
            return preg_replace('/\.php$/', '', basename($path));
        }, $move_list);
        // ブラックリストに登録されたクラスを弾く
        $move_list = array_filter($move_list, function($class) use($black_list){
            return !in_array($class, $black_list, true);
        });
        // リストからランダムにキーを抽出
        $key = array_rand($move_list);
        // 技クラスを返却
        return new $move_list[$key];
    }
 
}

 

ゆびをふるも、技を書き換える特殊な処理が必要になるので、専用のexMetronomeというメソッドを作成しました。

まず処理の初めに、ブラックリストとして例外技を配列で用意します。次に、既に用意されている技クラスを取得するためにglob関数を使います。 

glob(__DIR__.'/*.php');

 

引数として、技クラスが格納されているディレクトリのphpファイルをアスタリスクを使って指定しています。返り値は配列で一致したファイルのパスが値として格納されているので、array_mappreg_replaceの正規表現を使ってファイル名(拡張子を除く)の配列に変換します。

array_map(function($path){
    return preg_replace('/\.php$/', '', basename($path));
}, $move_list);

 

更に、ブラックリストに登録された技を対象外とするため、array_filterを使って取り除いていきます。

array_filter($move_list, function($class) use($black_list){
    return !in_array($class, $black_list, true);
});

 

これで候補技クラスを格納した配列が出来上がったので、array_randでランダム選出してインスタンス化して返却します。

// リストからランダムにキーを抽出
$key = array_rand($move_list);
// 技クラスを返却
return new $move_list[$key];

 

これでゆびをふるのランダム選出処理が完成しました。

 

使用時の特別判定

それでは、攻撃処理の中にゆびをふるの判定を追加しましょう。オウムがえしと同じく技を変化させる処理のため、特別判定を加えつつあばれるとチャージ技が選出された際のループ回避処理も追加します。

 

攻撃用トレイト(/App/Traits/Service/Battle/ServiceBattleAttackTrait.php
/**
* 攻撃
* (攻撃→ダメージ計算→ひんし判定)
*
* @param atk_pokemon:object::Pokemon
* @param def_pokemon:object::Pokemon
* @param move:object::Move
* @return object::Move
*/
protected function attack(object $atk_pokemon, object $def_pokemon, object $move) :object
{
    // 補正値の初期化
    $this->m = 1;
    // 行動チェック(状態異常・状態変化)
    if(
        !$this->checkBeforeSa($atk_pokemon) ||
        !$this->checkBeforeSc($atk_pokemon)
    ){
        // 行動失敗
        return $move;
    }
    // 「わるあがき」の確認とPP消費処理
    if(!$this->checkEnabledMove($move, $atk_pokemon)){
        setMessage($atk_pokemon->getPrefixName().'は出すことのできる技がない');
    }
    // 「オウムがえし」の特別処理
    if(get_class($move) === 'MoveMirrorMove'){
        $mirror_move = $this->exMirrorMove($atk_pokemon, $def_pokemon, $move);
        if(!$mirror_move){
            // 技失敗
            setMessage('しかし上手く決まらなかった');
            return $move;
        }else{
            // ミラー技をセット
            $move = $mirror_move;
        }
    }
    // 「ゆびをふる」の特別処理
    if(get_class($move) === 'MoveMetronome'){
        $move = $this->exMetronome($atk_pokemon, $move);
    }
    // チャージチェック
    $charge = $move->charge($atk_pokemon);
    if($charge){
        // チャージターンなら行動終了
        setMessage($charge);
        return $move;
    }

 

記述量も増えてきたので、特別処理のexMetronomuメソッドはトレイト分けしました。

 

攻撃特別処理用トレイト(/App/Traits/Service/Battle/ServiceBattleExTrait.php
<?php
// 特別処理
trait ServiceBattleExTrait
{
    /**
    * オウムがえしの特別処理
    *
    * @param atk:object::Pokemon
    * @param def:object::Pokemon
    * @param move:object::Move
    * @return mixed::Move|false
    */
    protected function exMirrorMove(object $atk, object $def, object $move)
    {
        // チャージ・あばれる技の確認
        $wait_move = $this->exGetWaitingMove($atk);
        if(is_object($wait_move)){
            return $wait_move;
        }else{
            // 「オウムがえし」の発動メッセージ
            setMessage($atk->getPrefixName().'は'.$move->getName().'を使った!');
            return $move->exMirrorMove($def, $this->battle_state);
        }
    }
 
    /**
    * ゆびをふるの特別処理
    *
    * @param atk:object::Pokemon
    * @param move:object::Move
    * @return object::Move
    */
    protected function exMetronome(object $atk, object $move) :object
    {
        // チャージ・あばれる技の確認
        $wait_move = $this->exGetWaitingMove($atk);
        if(is_object($wait_move)){
            return $wait_move;
        }else{
            // 「ゆびをふる」の発動メッセージ
            setMessage($atk->getPrefixName().'は'.$move->getName().'を使った!');
            return $move->exMetronome();
        }
    }
 
    /**
    * 特別処理時の待機技(チャージorあばれる)の取得
    *
    * @param atk:object::Pokemon
    * @return mixed::Move|false
    */
    protected function exGetWaitingMove(object $atk)
    {
        //「チャージ状態」になっているかどうかを確認
        $charge = $atk->getChargeMove();
        if($charge){
            return new $charge;
        }
        //「あばれる状態」になっているかどうかを確認
        $thrash = $atk->getThrashMove();
        if($thrash){
            return new $thrash;
        }
        return false;
    }
 
}

 

ゆびをふるでは、技選出が失敗することは無いので技オブジェクトを返却で統一させています。

 

では実際にバトルで使用してみましょう。

 

使用するたびにランダムで技が選出されることが確認できました。これでゆびをふるの実装は完了です。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回のPHPポケモンでは「ゆびをふる」の実装方法をご紹介しました。

ゲームづくりに興味がある人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

注目の記事

【関数とは】初心者が最短でPHPを使えるようになるための実践的な学び方
プログラミング
function,PHP
【関数とは】初心者が最短でPHPを使えるようになるための実践的な学び方

  PHPを実践で使えるレベルまで押し上げるための初心者向け講座、第3回目は「関数」です。   第1回の変数、第2回の配列、そして今回の関数の3つをマスターできていれば、いざ業務に望んでも、ある程度通用すると思っておいて良いでしょう。  ※オブジェクト指向やクラスの理解、データベースの知識など、...

フリーランスになるなら知っておきたい!無料サービス3選
フリーランス
フリーランスになるなら知っておきたい!無料サービス3選

  「フリーランスになる前に何を準備すればいいの?」 「フリーランス向けの便利なサービスが知りたい」   今回はそんな悩みを抱えた人へ向けて「フリーランスになるなら知っておきたい!無料サービス3選」をご紹介します。 この記事を読んで、フリーランスにとっての悩みである以下の3つの問題を一緒...

PHPポケモン「オートローダー編」16
プログラミング
PHP,PHPポケモン,ポケモン
PHPポケモン「オートローダー編」16

  今までは技やタイプを一括requireという荒業で対応していましたが、フシギダネ系列の技を実装した際に「こんなん全部読み込んでられるか!」と流石になったので、簡易ながらオートローダーを実装していきます。 そして、実装したらしたで色々と問題も浮かび上がってきたので、このあたりは回を進めて行きなが...

AIが人類にもたらす驚異!深層学習が与える影響とは
ネットワーク
AI,ディープフェイク,深層学習
AIが人類にもたらす驚異!深層学習が与える影響とは

  海外の記事でAIについて記述した興味深いものが掲載されました。   今回は「AIが人類にもたらす驚異!深層学習が与える影響とは」について、上記サイトを参考にまとめましたのでご紹介します。 ※直訳ではありません、あくまで記事の内容を参考にして自らの考えを記述したものです     AIの驚異と...

進化アニメーション 前編 PHPポケモン 59
プログラミング
PHP,PHPポケモン,ポケモン
進化アニメーション 前編 PHPポケモン 59

進化アニメーションの実装 今回は後回しにしていた進化アニメーションの作り込みをしていきます。今までもレベルに達すれば進化はしていましたが、その演出はありませんでした。また、ポケモンではBボタンを押すことで進化のキャンセルをすることができます。なので、この辺りも実際のゲームを再現していきましょう。...

バトルステータス可視化編 PHPポケモン 70
プログラミング
PHP,PHPポケモン,ポケモン
バトルステータス可視化編 PHPポケモン 70

バトルステータスの可視化 現在のポケモンでは、バトルステータスの現状を可視化できるようになっており、どれぐらいのランク補正がかかっているか、フィールドがどういう状態になっているかがわかるようになっています。 初代、第2世代等では確認できなかった内容ではありますが、システムとしては便利な要素でも...

ポケモンプロパティ編(全国図鑑No・捕捉率・重さ) PHPポケモン 77
プログラミング
PHP,PHPポケモン,ポケモン
ポケモンプロパティ編(全国図鑑No・捕捉率・重さ) PHPポケモン 77

PHPポケモン記事も記念すべき第77回を迎えることができ、これもひとえに皆様のお力があってのことです。いろんな方のご協力もあり(ドット絵とかドット絵とかドット絵とか)見た目はかなりゲームらしくなってきました。 しかし、肝心のゲーム要素が本家と比べればまだまだ機能も少なく未実装の項目も多いので、これ...

get_template_partで引数を渡す方法(WordPress5.5以降)
プログラミング
PHP,WordPress
get_template_partで引数を渡す方法(WordPress5.5以降)

WordPress5.5へのバージョンアップで、大きく機能が追加されました。中には変更に戸惑っている人もいるかも知れませんが、個人的にはエンジニアの要望を大きく取り入れて自由度がアップした印象があります。 今回はその中でも、多くの方が待ち望んでいた「get_template_part」の変更点についてご紹介します。 ge...

カテゴリ

SEO対策 イベント デザイン ネットワーク ビジネスモデル フリーランス プログラミング マーケティング ライティング 動画編集 雑記

タグ

5G Adobe AfterEffects AI ajax amazon Animate api artisan atom Automator AWS Bluetooth CSS CVR description EC-CUBE4 ECショップ ESLint Facebook feedly foreach function Google Google AdSense Honeycode htaccess HTML IEEE 802.11ax Illustrator Instagram IoT JavaScript jQuery jQuery UI keyword LAN Laravel Linux MacBook MAMP meta MLM MySQL NoCode note OS OSI参照モデル Paypal Photoshop PHP phpMyAdmin PHPポケモン PremierePro rss SEO SEO対策 Sequel Pro Skype SNS SSH Symfony TCP/IP title Toastr Trait Twig Twitter UCC V系 WAN WebSub Wi-Fi wiki Windows WordPress XAMPP xml Xserver YouTube YouTuber Zoom アーティスト アウトプット アクセス層 アニメーション アフィリエイト イーブイ インターネット インプット エンジニア オブジェクト指向 お金配り クリック単価 クリック数 コミュニケーション能力 コロナ コンサルティング サムネイル システムエンジニア スタートアップ スタイルシート スパム データベース ディープフェイク デザイナー デザイン テレワーク ナンパ ニュース ネットワークモデル ノマドワーク バナー ピカチュウ ビジネス フィード フリーランス ブロガー ブログ プログラマー プログラミング プログラミング学習 プログラミング教育 プロトコル ホームページ制作 ポケモン マークアップ マーケティング メール リモートワーク レンダリング 三井住友 三宮 仕事依頼 児童デイ 児童デイサービス 児童発達支援 公開鍵 初心者 助成金 勉強法 営業 広告 広告収入 必勝マニュアル 放課後等デイサービス 朝活 楽天 深層学習 無線LAN 独立 神戸 福祉 秘密鍵 翻訳 自己啓発 英語 見積書 計算機 読書 起業 迷惑メール 配列 銀の弾丸 集客 雑学力