近年ではWebサイト制作会社や個人事業主はかなり増えてきました。
会社によっては力を入れている部分は異なり、主に「デザイン」「機能(システム)」「SEO」という3つに分けられます。
飽和しているのでは無いかと囁かれている中、この3つすべてを揃えた事業者は意外と少なく、個人となれば更に少なくなります。
そして、その中でも多くの事業者がおろそかにしてしまっているのがSEO対策です。
今回ご紹介する内容は、その中でも基礎となる部分ですので、しっかりと押さえておきましょう。
プラスを増やすよりマイナスを無くす
SEO対策の提供だけで事業をしている会社も少なく有りません。それだけできることは多い分野だからです。
また、Googleのクロール機能も進化し続ける今となっては、それに対応するのが常に求められるとも言えます。
しかし、重要なポイントだけを抑えておくのであれば容易と言えます。
多くの人はプラスを求めるからついていけなくなるのであり、マイナスを減らすということに焦点を絞ればこれほど費用対効果が高いものは有りません。
それは、マラソンでおもりを持って走っているのと同じだからです。トレーニングをして記録を伸ばすよりも、おもりを外すことや破れている靴を買い換えるといったことの方がすぐ実践でき、より高い効果が得られるのと一緒です。
自分の運営しているブログやサイトがあれば、まずはマイナスを排除することに尽力してみてください。
マイナスを取り除くことができれば、自然とプラスへの余裕も生まれてきます。
内容パクっても文章パクるな
これは特にブログに顕著です。
記事を書く際に、多くの人は色んなものを参考に作り上げていきます。また、説明欄などのちょっとした部分においても同じです。
Googleは内容をしっかりと比較して、そのまま使用している文章をコピーコンテンツと認識します。そうなってしまえば、そのサイトは「価値の低いコンテンツ」と認識されてしまいます。
引用を用いる
どうしてもとあるコンテンツの内容を使いたいときは、引用タグを使いましょう。
短文であればqタグ、長文であればblockquoteタグを用います。
・qタグ
http://www.htmq.com/html5/q.shtml
<c>Stay hungry, stay foolish</c>と、スティーブ・ジョブスはいいました。
・blockquoteタグ
http://www.htmq.com/html5/blockquote.shtml
<blockquote cite=”urn:ISBN9784041001011”>
吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。吾輩はここで始めて人間というものを見た。しかもあとで聞くとそれは書生という人間中で一番獰悪な種族であったそうだ。この書生というのは時々我々を捕えて煮て食うという話である。しかしその当時は何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。
</blockquote>
※cite属性では引用元情報を記載します。Webサイトの場合はURL、書籍の場合は図書コード(ISBN)です。
重複注意
重複は最も気をつけなければいけないと言える部分でもあります。検索結果に引っかからないときの多くは、これが関係しています。
titleとdescription
まずは、titleとdescriptionがユニークであるかどうかを確認しましょう。
タイトルに関しては、ブラウザのトップに表示されている場合が多く、重複に気をつけやすい部分ですが、descriptionに関しては検索結果で確認することが多いため、知らない状態で重複しているケースがあります。
動的に生成している場合は、必ずF12(command + option + I)等で出力されている内容を確認するようにしてください。
タイトルは手前にページ名、後ろにサイト名という配置が望ましいでしょう。検索へのアプローチはもちろん、確認をする際に漏れが少なくなるという意味でも適しています。
この2つで重複が合った際は、ほぼ一発アウトです。
それだけマイナス判定されるということは、デメリットが大きいと言えます。
URL
URLの重複にも注意が必要です。特に、検索結果ページなどで発生することが多いです。
ネットショップやWordPressなどで検索をした場合、検索結果が
https://ドメイン名/search.php
となっている場合があります。
これだと、どんなワードまたはカテゴリ等で検索をしてもURLは同じです。
こういった場合にも、しっかりと重複は取り除く必要がありますので、以下のようにすると良いでしょう。
https://ドメイン名/search.php?category=paper
https://ドメイン名/search.php?category=cloth
検索だけではなく、ページ送り等でも同じです。
動的に生成している場合で見落としがちになるので、テストの際にはしっかりとURLを書き出して重複チェックをするようにしましょう。
分散注意
重複とは逆に、分散にも気を配らなければいけません。
特に多いケースが、httpsやwwwの有りなしについてです。
http://ドメイン名/page
https://ドメイン名/page
https://www.ドメイン名/page
他にも末尾スラッシュの有無や、ファイル名の表示有無があります.
https://ドメイン名/
https://ドメイン名/index.html
https://www.ドメイン名/page
https://www.ドメイン名/page/
こういった重複は、ページの評価がそれぞれに分散してしまいます。
そうすると、対象ページに50人の来訪者がいても25人ずつに分散されてしまい、25人分の評価しかされず伸び悩むことになりかねません。
これには複数の対策方法があります。
.htaccessによる301リダイレクト
サーバー側から制御する方法です。例えば、SSL対応をしている場合であれば、httpに来た際にhttpsへ移動してほしいですね。
その場合は、以下のように.htaccessへ記述します
RewriteCond %{HTTPS} off
RewriteRule ^(.*)$ https://ドメイン名/$1 [R=301,L]
wwwの有無についても監視が必要なケースもあります。
その場合は以下のように記述します。
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^ドメイン名#.の前には\が必要
RewirteRule ^(.*)$ https://www.ドメイン名/$1 [R=301,L]
これには正規表現が用いられているので、覚えていない人はこの機会に学んで置くと良いでしょう。
JavaScriptを使ったリダイレクト
優先順位は低いですが、サーバーサイドでの制御ができない場合は、ページに対してリダイレクトをかける必要があります。あくまで次善策と考えて置いてください。
リダイレクト前のページのhead内に以下のように記述します。
<script type=”text/javascript”>
location.href=”リダイレクト先のURL”;
</script>
canonical設定
301リダイレクトができない場合には、canonical設定をすることで解消できます。
方法は複数ありますが、最も簡単なHTMLタグへ記述する方法をご紹介します。
対象ページのheadタグ内に以下のように記述します。
<link rel=”canonical” href=”ページのURL”>
こうすることで、そのページに来た際に設定されたURLが反映されるようになります。
相対パスで記述することも可能ですが、その場合はhttpとhttpsの違い等が判別できないため、絶対パスで記述するようにしてください。Googleでもそのように推奨されています。
多用注意
Htmlタグにも注意が必要です。特に注意すべきは見出しタグ(h1〜6)です。
h1タグに関しては、原則として1ページに1つとされています。これは、設定されたワードがキーワードとして影響をもたらすためです。
過去、これを利用してページ内のすべてでh1タグを使用するというような手法がもちいられ、現在ではスパムとして対策されるようになりました。
それに合わせて、h1タグの効力事態も少し弱くなったと言えます。
Html5が誕生してからは、しっかりと役割を持ったタグが作られたため、ルールを守って作成すれば、それだけページの情報をしっかりとクローラへ伝えられます。
多少の間違いではマイナス効果を生まなくても、何気なく使っているものがマイナス評価となってしまうことは多々あります。
なので、タグはデザインを整える目的で使用するのではなく、ページの構成を伝えるものだと考えておきましょう。
まとめ
あなたが運営または作成しているサイトはいかがだったでしょうか?
してはいけないことは、まだまだあります。しかし、今回挙げたものだけでも知らずに放置されているサイトは多いのが現状です。
他にも、エラーページの存在やリンク切れ、ページの質などといったマイナス評価対象は存在します。
また、手軽に実装できて実際のページ内容と関連がないようなものはどんどんと排除されていくでしょう。
そうしないためにも、1ページ1ページをしっかりと作り込んでいくことは大切です。
その上で、ルールをしっかりと把握して、正しいページづくりをしていきましょう。
マイナス評価を排除するだけで、ページの質は格段に上がるということを、常に心がけて置いてください。