「これもっと安くならない?」
「他の人はこれぐらいの金額でやってくれるよ」
こういった値切り交渉を受けたことがある人もいるのではないでしょうか?技術を提供するフリーランスであれば、金額を落とすということは自分の価値を下げているということを理解しておかなければなりません。
値段交渉はどうすべきなのか? もしそういった提案を受ければどう対応すべきなのか?
今回は「フリーランスのための値段交渉術!案件はこうやって見極めろ」についてご紹介します。
最後まで読んで、ぜひ価格交渉に強く安請け合いしないフリーランスになりましょう。
価格設定は思い切る
フリーランスで仕事を受けたり、業務の一端を担う場合は見積もりをとりますね。そこで「仕事が欲しいから」といって、安価な仕事を受けるのはオススメしません。それが長期的なものであれば絶対です。
単発の仕事であれば、実務経験を積むことを目的として安価で受けることは有りだと思っています。ですが、単発であったとしても依頼者との関係が長期的になることが予想されるのであれば、それはよく考えるべきです。
能力と金額を比例させない
フリーランス歴が長く、技術や結果も伴っていれば全く問題ないのですが、駆け出しの人からすれば
「相手の要求に対して十分な結果を返せない」
というクライアントの心配を抱えてしまい、みすみす案件を逃してしまったり、あまりにも安価すぎる金額で受けてしまっているケースがあります。ですが、実務経験が少なかったり、フリーランスになりたての人が、クライアントの要求に100%応えるということについては、あまり意識することではありません。
サイトを提供するにしても、記事を提供するにしても、自分の能力に合わせるのではなく、自分が納得のいく金額を提示すべきです。周りと比べられたとしても、自分がそれに満足できなければ、左右されるべきことではありません。
但し、商品やサービスには相場があることを忘れてはいけません。自分が満足できる金額だといって、サイトを作るのに1億円を要求しても、首を縦に振ってくれるような企業はまずいませんよね。であれば価格を見直しするか、そのサービス提供は諦めるべきだということです。
どんな物を売るとしても、買い手がいなければ成立しません。相場を知り、それに納得ができなかったり、自分のスキルでは今後も十分な利益が望めないのであれば、向いていないものだと割り切って切り捨てる必要があるのです。
諦め・開き直りはいけません
能力と金額は比例しませんが、その能力の低さを盾にしてもいけません。仕事を受けた以上は、クライアントの要求に応えることがより良いコトですし、次の仕事や報酬アップにも繋がる可能性もあります。
例えばネットショップ作成と運営保守の依頼を受け、実際に作ったものの売上が全く立たないとします。駆け出しのフリーランスであれば、ネットショップの作成経験が無かったり、SEOの知識や集客力が乏しいこともあるでしょう。
ですが、売上を伸ばす目処が立たないからといって諦めてしまったり、自分の力だったらこれぐらいが限界だと開き直れば、その時点でクライアントの要望に対しては応えられていないということになります。
結果が思うようについて来なかったとしても、スキルを提供している以上は動き続けなければなりません。ですが、金額の範囲を超える努力は、自らの心身を削って提供していることになりますので、しっかりと境界線は引いておかなければなりませんよ。
金額交渉での立ち回り
見積もりは思い切って出すということがわかりましたね。ですが、それに納得してもらえなかったり、契約更新時に金額や業務内容の見直すを依頼されることもあります。
フリーランスで技術を提供する場合、金額は自分自身の価格なので、原則として安易に金額を下げてしまったり、相手のいいなりになってはいけません。
単価は絶対に下げない
提示した金額を二つ返事で受け取ってくれれば問題ないのですが、相手によっては中々そうはいきませんよね。もちろんその場で断ってしまうのも1つの選択ですが、金額を調整して相手の要望に合わせるという方法もあります。ですが、ここで安易に単価を下げてしまうと、取り返しのつかないことになってしまいます。なので、もし減らすとすれば業務負担です。
先程例に挙げたネットショップで考えてみましょう。
保守運営費で100,000円という金額を提示したが、もう少し安くならないかと言われました。ここで安易に90,000円にしてしまえば、ただ単価が下がっているに過ぎません。ですが、月に2回予定していた打ち合わせを1回にしたり、運営を請け負う部分を制限したりと条件をつければ、単価そのものを下げていることにはなりません。
そして、これは表面上であっても構いません。ただ金額を落とすと、交渉次第で金額を落として貰えると考えられてしまいます。ですがそこに条件が存在すれば、何かを削らなければ安くすることはできず、それには限界があるということを伝える意思表示になるのです。
他にも、別で依頼している人や一般的なサービスと比較して金額の調整を要望されるケースも少なからずあるはずです。私も過去にバナーの作成依頼を受けた際も「SOHOで頼めばもっと安い」と言われたことがあります。
もし、こういった比べられ方をした場合は、全力でそちらのサービスや人をオススメしてあげましょう。なぜなら、比較するということはそちらの方が良いと思っているからです。
もし比較された際に金額を見直しすれば、その時点で価格競争に突入します。そうなれば、間違いなく消耗戦です。クライアントとのやり取りだったとしても、消耗戦に入れば必ず張り合った側の負担は膨らんでいきます。
もし単価を見直す機会があるとすれば、それは自分から見積もりを提示するタイミングです。相手から金額に対して意見を受けている時点で単価を変更してしまえば、その時点で相手の価値観に強く影響されてしまい、フリーランスとしては致命傷となってしまうのです。
その場のお金は切り捨てる
中には、単価を落としてでも受けたほうが良いのでは?と迷うときもあるはずです。人間なので、それは当然のことですし、それがプラスに転じるケースもゼロではありません。
これは私の指標ですが、そういったときには「その場のお金かどうか」で判断するようにしています。
例えば、
「自分が求めているスキルに繋がるか」
「ブランディングに大きく役立つか」
この辺りを当てはめて、その案件が自分にとってどういったものになるかを考え、単価を削るかどうかの判断をします。
自分が求めているスキルに繋がるか
どんな仕事であっても、スキルアップになります。ですが、それを判断基準とすればすべての仕事を受ける必要が出てきますよね。
例えば、そばを作る仕事を頼まれた場合であっても、やればそばづくりの技術や知識が身に付くので、間違いなくプラスです。ただ、そのスキルは自分が求めているものではありません。
繋げる方法も確かにあります。スティーブ・ジョブズもConnecting the dots(点と点を繋げる)と言っているように、点を打っていればいくらでも結びつけて展開することは可能です。だからと言ってどんなものもOKの姿勢でいけば、思考は停止してしまい期待を追い求めるだけのギャンブルと変わりません。
現在自分が取り組んでいるものを活かせるかどうか、単価を落とたその金額で、その案件やプロジェクトに参加する価値に見合っているかどうかを判断しなければならないのです。
ブランディングに大きく役立つか
フリーランスであれば、自分の経歴として仕事を挙げられるので、少なからずブランディングには繋がります。ですが、単価を削るというリスクを追うのであれば、それに見合ったブランディングに繋がらなければ意味がありません。
こちらも極端な例ですが、GoogleやApple、ソフトバンクや楽天などという名前だけでかなりのブランド力を持った企業や、国や県や市といった公的機関からの仕事であったとしても、それなりにブランディングに繋がるため、単価を落としたとしても今の私であれば受けるでしょう。
人は見た目で判断するのは良くないとされていますが、逆の立場で考えた時、見た目だけで判断してくれるのであれば安いものです。
どんな理由であれ単価を下げる場合は、それ以上のリターンがなければオススメはできません。もし単価を下げなければ契約を切られてしまったり、依頼してくれないのだとしても、その案件だけで完結してしまうのであればキッパリと断るべきです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は「フリーランスのための値段交渉術!案件はこうやって見極めろ」についてご紹介しました。
仕事が受注できると嬉しいですね。ですが、その一瞬の喜びだけを得るためにリスクを抱えないような度胸と意思を持っておくことが、自分を売るというフリーランスにとっては大事なことです。
現在フリーランスで活躍している人や、これから独立を考えている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。