「とにかく行動しろ」
「いろんな人に会え」
「どんどん外注しろ」
どれも覚えておきたい教訓ではありますが、その本質が見抜けなければ逆効果になります。
行動であっても、それが行動もどきになっている人は多く、人に会って人生が変わるということも受け身であれば全く意味がありません。外注にしても、期待値が先行していればそれこそお金をドブに捨ててしまうことと同義です。
今回は、そういった自己啓発的な言葉に隠された真実と、それらの本質についてを解説していきます。
「行動しろ」の真実
人生の先輩や比較的上手くいっている人、成功している人からアドバイスを受ければ、ほぼ100%「行動しろ」という言葉が返ってきます。
それだけ行動することは大切で、そもそも行動がなければ上手くいくことなんてありえないからです。
ですが、行動によく似た行動もどきというものが存在しており、多くの人がこれを行動と思い込んでしまった結果、失敗するのです。
そして、中にはこの行動もどきを行動だといって正当化するような誘惑を仕掛け、ネットワークビジネスを斡旋してくるような人もいるため注意が必要です。
行動もどきとは
「良いビジネスの話がある」
それに乗れば大儲けできる、楽して稼ぐことができると言ってネットワークビジネスは誘惑してきます。そして「行動しなければ始まらない」などとあたかもそれが正しいことのように誘導してきますが、これこそが大きな罠です。
なぜなら、行動はあくまで自発的に行い、それを完結させるまで行わなければ意味がないからです。
良い話を持ちかけられて、それに賛同したことを行動だと勘違いしてしまう人は多いです。起業にしても、書類にはんこを押すことで「行動した」という気になってしまいます。
確かにそれも1つの行動ではありますが、その後何もしなければ何の結果もついてくることはなく、行動もどきで終わってしまうということです。
起業であれば、会社を設立する方法が解っただけでも得られたものは大きいですが、その後どう対応するかという連続的な行動があって、初めて行動することの意味が生まれます。
断続的な行動は、あくまで「行動した」という自己の達成感を満たしているだけに過ぎず、それが継続していなければそこまでしか行き着けない行動に過ぎないのです。
結果を待たない
ネットワークビジネスで例にあげましたが、他のビジネスにおいても同じです。
もし誰かと協力してプロジェクトを進めている場合、結果を待った時点で終了だと思ったほうが良いでしょう。
自分のすることは終わった、後は別の人が担当しているものが終わるのを待つだけ、といった待ちの姿勢に入ると、その人が動かなければ何も生まれません。もしプロジェクトに遅れが出ているのであれば、プレッシャーをかけたり、他にできることがないかを模索して自分が行動することで、他の人にも「行動しなければならない」と思わせることこそが、結果を待たず、行動し続けるということです。
ここでぜひ覚えておいてほしい事は、「自分だけが頑張っている」という状態は1つの理想形であって損だと考えないことです。
スタートアップのプロジェクトの場合、一部の人がこういった状態になることは多いです。これはあくまで自然なことです。働きアリの構造と一緒で、真面目に働くのは3割程度だからです。
もし、不要だと感じた場合はキッパリ切り捨てる方が良いでしょう。しかし、必要だと感じつつも自分だけが負担を負っているのであれば、仕事量でそのプロジェクトの主導権を握るという考えにシフトしてください。行動が伴わなければ結果は絶対についてきません。だからこそ、どんな方法であったとしても受け身の姿勢から脱却しなければいけないのです。
「〇〇さんに会って人生が変わった」の真実
SNSや自己啓発本、テレビなどでも「〇〇さんに会って人生が変わった」という人がいます。
確かにそうかも知れませんが、これを「人との出会いが人生を変える」と読み解くことは大きな間違いです。そして、失敗してしまう人の多くが、そう考えてしまってネットワークビジネスに引っかかったり、無意味なセミナーに大金を投資し続けるようなことになってしまうのです。
変えたのは誰か
私にも多くのお世話になっている人がいます。あの人がいるから現在の自分がある、あの人がいたから起業するまでスムーズにいったなど感謝の要因は数多くありますが、それらは全てきっかけに過ぎません。あくまで、変えたのは自分自身だからです。
人に出会うことで、そこから物事が発展してくことは確かです。ですが、その人に認められる、目をつけてもらうためには、自分の行動する姿勢や能力などが評価されてのことです。
そして、サポートがあったとしても実際に結果を出せたのであれば、その人自身の行動がともなっているはずです。変えたのはあくまで本人であって、あくまで他人から得るものはきっかけに過ぎないのです。
ですが、これを人に会ったからだと考えてしまうと落とし穴にハマります。人に会うだけで上手くいくのであれば、街中で手当たり次第に声をかければ良いはずですし、セミナーに参加している量が多い人ほど成功するはずです。
そうならないのは、出会ってその後の対応や自分の価値が伴っているからであり、人に会ったことをきっかけとして1つの良い結果が生まれたに過ぎないということです。
結果論に惑わされない
変えるのは自分自身だと言いましたが、相手をないがしろにしていいわけではありません。きっかけをくれた人に対して感謝を抱くことは素晴らしいことですし、そうすべきだとも思います。
ですがその人を崇拝したり、または頼り続けることはマイナス以外の何でもありません。
メンターという言葉を良く耳にしますが、これが最たるマイナスの要因だと私は考えています。
確かに、師を持つということは成長に必要なことかも知れません。ですが、それがもし1人であれば行動を制限し、物事の選択肢を狭めることになってしまいます。
時間は流れ、環境も変わり続け、世の中の考え方も日々変化し続けています。コロナショックがそれをよく表してくれました。だからこそ、臨機応変に変わらなければいけませんし、いろんな価値観や考え方に耳を傾けるべきなのです。
あくまで何事も結果論なのです。そして、それを導き出すのは自分自身であり、メンターであろうがなんでも、そのためのヒントをくれているに過ぎません。
だからこそ、そこには多様な選択肢を持たせるべきですし、依存してはいけないのです。
相談しても頼るな
成果を出している人や、専門的に取り組んでいる人に相談をすることは大切です。経験値を持っている人がいるのであれば、どんどん相談すべきです。
ですが、相談するのと頼るということは全く別物だということを覚えておきましょう。
頼ることに依存してしまう人ほど、それが失敗を招く要因に繋がります。
勝算と期待
では頼ることの全てが悪なのでしょうか?
そんなことはありません。大きなプロジェクトであれば、1人でできる範囲は限られているので、上手く人に仕事を割り振り、頼るということを覚えなければいけませんし、フリーランスであったとしても、外注できるものはどんどん外注すべきです。
ですが、そうするためには必ず勝算が必要になります。
外注で失敗する人のほとんどが、期待によるものからです。例えば、飲食店を立ち上げ、HPを外注したとしましょう。
わからないから頼もうと安易に考え、金額だけを見てOKを出すような人は、きっと良いものができるだろうといった期待で外注をしてしまっています。ですが、結果的には思ったようなものがHP出来上がらなかったり、期待していた機能がなく更新するのに時間がかかったりCMSが導入されていないといったことが起こりえます。
ですが、わからないなりにも自分の要求を伝えたり、他の飲食店サイトを例に出して「こういった雰囲気のサイトを望んでいる」などと提示すれば、それだけ要望に近いHPが完成する可能性が格段に上がります。
これは期待だけに頼らずに、勝算を持てる状態まで引き上げて頼っているから得られる結果です。
良いビジネスの話があると誘いを受けた場合、それを冷静に分析してみてください。そこに、勝算が持てるのであれば賛同して頼るという選択肢は有りでしょう。ですが、ただ「儲かるかも知れない」という期待だけで賛同しようとしているのであれば、安易に手を付けるべきではありません。
どんなことにおいても、期待値と勝算値を比較して判断することこそが、成功へつなげるためには大切なことなのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は「人に相談しても期待はするな【行動もどきって?成功する人と失敗する人の違いとは】」について解説しました。
行動すれば良いと安易に考えてしまっている人は、それが行動もどきになっていないかどうか、人に頼るということに期待値だけで判断してしまっていないかを、今一度見直してみてください。
それが解消されれば、より成功する人が発信している物事の本質を見抜けるようになるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。