お店のホームページを作りたい
そういった飲食店の方は意外にも多く、イタリアンや居酒屋、日本料理店など種類も様々です。
今回のテーマは「飲食店がホームページを作る上で知っておきたいメリットとデメリットについて」です。
食べログやホットペッパーなどといったグルメサイトが主流となっている今、お金をかけてホームページを作るメリットはあるのか、そしてどういったデメリットが存在するのかについてそれぞれ解説します。
具体的な5つのメリット
お店のホームページがあれば比較的自由な戦略がたてられます。実際にどういったものがあるか、以下の5つのメリットについて見ていきましょう。
- 資産敵価値がある
- 広告戦略に使える
- ブランド力を高められる
- 機能連携の武器になる
資産的価値がある
ホームページは資産です。集客のツールとしてお金を生むのはもちろん、それ自体が利益を生むような使い方もあります。
それでは、具体的な資産的価値について見てみましょう。
店長ブログでSEO対策
検索結果で上位に表示されるためには、それなりのSEO対策が必要になります。ページの更新頻度やボリュームという点も押さえておかなければならないため、まず候補に上がるのがブログの運営です。
個人経営の飲食店であれば『店長ブログ』や『看板娘ブログ』などが比較的需要が高く、集客効果を望めます。
店長ブログではレシピの紹介や、おすすめメニュー、こだわりの一品などが紹介されていると、グルメな方からするとたまりませんね。
看板娘ブログであれば、お客さんに近い位置からのPRができます。
「今日はこんなお客さんが来てくれました!」
「私のこだわっている接客ポイント」
このように、お客さんも参加するような形式にすれば、お店の雰囲気や楽しさを伝えやすく、看板娘のファンができればそれだけでお店に行きたいと思わせてくれます。
こうしてブログをキャラクター化することができれば、自然とサイトは充実していき、ユーザーも定着しやすくなります。
SEOの価値が高まれば、それは大きな資産になります。作り上げるのが難しい分、一度作り上げてしまえばその効果は絶大なものです。
アフィリエイトで無料運営
ブログの運営がスムーズにいけば、広告収入を期待してGoogleAdSenseなどに登録してみても良いでしょう。
メインはブログではないので、あくまでブログ部分から広告収入を得るようなイメージとなります。
他にも、新メニューに仕入れ先の商品使って、それをホームページ上で強く押し出すような条件で一定数無料提供をしてもらったり、実験メニューのような名目で商品PRを行なうことで宣伝費をもらったりして収益を得る方法もあります。
「こだわりの醤油を使った〇〇」
→ 〇〇製造の醤油を使っています
もちろん、これには限度がありますし、それ自体が目的になってしまうと食事を楽しもうとしているお客さんからは懸念されてしまうこともあります。
なので本当に良いと思った商品を、自分にお店で提供できるものかどうか、そしてそれ自体が本当に売りになっているのかを考えた上でする必要があります。
このように、アフィリエイトの収入が望めるようになれば、これをホームページを運営してくために必要な保守費や改装費にあてられるので、実質無料のサイト運営が実現します。
※サイト規模や機能にもよりますが、保守とサーバーを含め月額3〜5万円程度が一般的です
もしアフィリエイト収入の方が上回れば、それが利益の足しにもなりますね。
広告戦略に使える
ホームページがあることでGoogleの提供しているサービスの恩恵を受けられるものが多く、これを目的に開設する人もいます。
その多くが広告戦略という点で強い武器になります。
リスティング広告
GoogleやYahooなどの検索結果最上位に「広告」という表示がついたリンクがあります。これがリスティング広告です。
上限額とワードを設定することにより、そのワードが検索された際に表示することができ、お店のホームページがあればこのリスティング広告を活用できます。
オープンしてからしばらくの間は、ユーザー数が少なくオーガニックの検索結果では上位にランクインしにくいので、これである程度多くのユーザーに来てもらい、ページの認知度をあげることで、後々のSEO対策でも優位に立ち回りやすくなります。
ただしこれには最低でも月額10万円以上は想定しておかなければいけません。人気エリアに店舗を構えている場合はその数倍の金額が必要になりますので、ある程度の資金力が必要だといえます。
アクセス解析
どういった地域のユーザーが、どの時間帯にきているかなどを確かめることができるGoogleAnalyticsを導入できるという点においても、開設する大きな強みです。
これによって、統計から細かなユーザーの動向を知ることができ、それに合わせて今後の戦略を練ることができます。
※中にはアナリティクスを導入できるサービスもあります
ただし、ユーザー数が少ない状態では実際にどのページやメニューが注目されているのかがわからず、参考資料としては価値が低いので、リスティング広告やSNSを駆使して、できるだけ多くのユーザーの目に触れてもらう必要があります。
ブランド力を高められる
個人経営の飲食店であれば、チェーン店などと価格競争するのが難しいため、その店の強みを押し出していくことが必要になります。
そういったブランディングをするためにもホームページがあると便利です。
お客さんに与える安心感
ホームページがある飲食店に対して、お客さんはの安心感をもちます。
そこに掲載されている店舗情報や、期間限定メニューなどのタイムリーな情報があればあるほど、その安心感は高まります。
異性や上司と行くお店を探す際に、「思っていたところと違った」とならないように実店舗を見るのが一番ですが、そうできない人にとってはお店のホームページがその役割を担ってくれるのです。
そういった人のほとんどが他の候補店とサイトの見比べをするので、独自のものがあると優位に立てるのは間違い有りません。
独自戦略の演出ができる
お店の紹介にはそれぞれのアピールポイントを押し出すことで、お客さんに「この店良さそう」だと感じてもらうことができます。
美味しい店に行きたいと思う以上に、お客さんは今まで行ったことのないようなお店に行きたいと思っているのです。
オリジナリティあふれる店紹介
店長が海外で修行を積んできたのであれば、それを紹介することでお客さんは味への期待を高めます。
こだわりの素材や製法、調理技術や調理器具などコアな部分にピックアップしても、それが味に直結していると思わせることができれば、お客さんはその店に対しての期待感を高めていきます。
お店の楽しみ方をが売れる
お客さんにとって、その店で食べられるものはもちろん重要ですが、どういったこだわりのある店なのかという情報があることで、お店に来た時間そのものを楽しんでくれるようになります。
実際にメニューの紹介をしているお店は多いですが、その食べ方であったりお酒との組み合わせ、どういったタイミングで頼めばより良いかなどを紹介しているところは少ないですね。
そういった情報は意外にも、注文をする際のきっかけとなり、お店の楽しみ方そのものをPRするということになります。
こういったコアな演出ができるという点は、ホームページを持つことで得られる大きなメリットです。
機能連携の武器になる
お店のホームページには、集客用の媒体をという役割以外にも様々な可能性を秘めています。
アルバイトの採用ツール
お店の紹介をすることは、お客さんだけではなく、そこで働いてみたいと思っている求職者にとっても貴重な情報になります。実際にホームページを持っているお店が採用情報を載せているケースは少なくありません。
メインが集客だということであれば、おまけで付けている採用情報に1人でも引っかかれば儲けものです。
しかし、集客で力を発揮できるということは、求人で力を発揮することも可能だということです。
お店に関する情報を掲載するのであれば、その利用範囲はマルチである方が良いですね。
店独自の予約システム
グルメサイトなどでも予約システムがついていますが、独自のシステムを導入するというメリットも存在します。
少し前にニュースになった、団体予約のキャンセルによる店側の打撃などの対策として、事前決済を導入するのも良いでしょう。
また、予約情報を独自のシステムで管理したり、持ち帰りの注文などができるようにすることで、一括管理で業務負担が減るケースも少なくありません。
メルマガなどによるリピーター戦略
システム要素があれば、任意にはなりますがメールアドレスのリストを作ることができます。
そういったリピーターを対象とした販促を行なうこともでき、メルマガやLINE@などによる会員専用クーポンの発行なども可能です。
ただ、こういったシステム要素を含んだサイトにしていくと、費用が莫大にかかることになったり、既存のサービスの方が優れているといったことにもなりかねないので慎重に考える方が良いでしょう。
見落としがちな3つのデメリット
ホームページを立ち上げることで得られるメリットがあれば、そこには必ずデメリットも存在しています。
今回はその代表的なものを3つ取り上げます。
- 更新率の維持が辛い
- 集客の難易度が高い
- 競合サイトが強い
更新率の維持が辛い
ホームページが出来上がると、それだけで満足してしまう人が多いのですが、それは大きな間違いです。
なぜなら、更新率が悪いサイトは集客において逆効果になってしまう場合があるからです。
古いお知らせから伝わる不安
「新メニュー追加しました」
というお知らせが3年前の日付で載っていると、お店が本当に営業しているのか疑わしいものです。
そうなると、実際に掲載している情報に対する信憑性が感じられず、不安感が募ります。
ホームページを更新するということは品質管理をするということです。怠ってしまうと、せっかくの良いものが一転して悪いものだと印象づけてしまいます。
ブログに人が定着しない
お知らせを毎日のように更新してしまうと、本当に伝えなければいけない情報が埋もれてしまう危険性があります。
そのため、サイトの更新率を高めることを目的としてブログが採用されることがありますが、こちらにも大きな落とし穴があります。
ブログをただ更新するだけでは、お客さんは集まりません。
なぜなら、そのブログに対して魅力が感じなければ、わざわざ見にきてくれないからです。
おすすめメニューの紹介や裏話など、良いテーマ設定ができたとしても、その表現力が乏しければせっかくの素材も台無しになってしまうのです。
文章構成にこだわり、どういった情報をどのタイミングで取り上げるかなどは重要で、それなりに時間を要します。
しっかりとした記事を書く場合は、慣れるまでは3〜4時間、人によっては半日〜1日かけて書く場合もあります。
スキマ時間にブログ、と安易に考えていると全く反響が得られなかったり、予想以上の労力に心が折れてしまうことも少なくありません。
集客の難易度が高い
宣伝ツールとして可能性が高く、幅広い活用のできるホームページですが、集客というハードルもかなり高いと理解しておかなければなりません。
それは、よいサイトが出来上がっても来てもらえなければ意味がないということです。
たどり着くまでのハードル
メリットで取り上げたように、リスティング広告を使えば簡単に上位へ持ってくることができますが、これには資金力が必要です。
100万円払って広告を売っても、売上が50万円だったら全く意味がありませんよね。
なので、SNSを活用したり食べログにURLを貼っておいたり、SEO対策で順位をあげたり色んなことをしなければなりません。
しかし、思ったように効果が得られるとは限りません。
SNSで目に止まったとしても、URLをクリックしてもらわなければいけなく、SEOに関しても同じことです。
それ以前に、検索をしたは良いもののグルメサイトへ入られてしまい、そのサイト内にユーザーが滞在してしまうと、そこから出て再度検索結果へ戻って貰う必要があります。
一度ユーザーが別のサイトに取られてしまうと、出てこない可能性があることも想定しておく必要があります。
サイトを多くの人の目に届かせるというのは、今の時代ある程度の努力と時間が必要になるということを頭に入れて置かなければなりません。
競合サイトが強い
ホームページを立ち上げるのであればSEO対策は必須です。それをしなければ、作る意味が無いと言ってもよいでしょう。
その上で考えておかなければいけないのが、競合サイトについてです。
敵はグルメサイト
飲食店の場合は、ほぼ100%グルメサイトが競合になります。多くの店舗を抱えているグルメサイトのSEOは強く、なかなかそれに太刀打ちしようとしても一筋縄ではいきません。
また、せっかく1ページ目に表示されたとしても、上位にグルメサイトがありそこへ一度入ってしまうと、結局はそこから出てきてもらえずに、目に止まらないということにもなってしまいます。
検索ワードは【駅名】+飲み屋
店名を調べてサイトが出てきても、ほとんど意味はありません。なぜなら、その時点で検索した人があなたの店を知っている状態だからです。
最低条件として、『駅名または地域名』と『お店の種類』で調べたときに出てこなければいけません。
もし大阪駅近くのイタリアンのお店であれば、「大阪駅 イタリアン」となります。
どれだけ美味しそうな料理紹介をして、楽しいお店のアピールをして、安い料理を提供していたとしても、探している人が見つけられないサイトは全くと言っていいほど意味がないのです。
考えておきたい代替案
飲食店のホームページを作りたいと考えている人は、まずやりたいことを明確にした上で、その代替案があることをしっかり理解しておきましょう。
そして、代替案で十分であればホームページは必要ありません。もし作るとなったとしても、これからあげるものは並行して運用する必要があると考えておいてください。
Facebookページという、通常のアカウントとは別にFacebook上でお店のページが無料で作れます。
グループ機能では目的を持ったユーザーが集まっているため、その目的にお店が一致してれば、そこに投下することで反響は得やすくなります。
集客が簡単
SNSの最大のメリットは、ユーザー同士のつながりを作ることが簡単だということです。
また、いいねやシェアなどもボタン一つでできるので、拡散力に関してはずば抜けています。
もちろんホームページと比べると、凝った演出などはできませんが、お店の情報など必要最低限のことはほぼできると言っても良いです。
イベント作成の機能を使えば、そこから応募や予約へつなげることができます。
有料広告を使えば多くの人のタイムラインに表示されるため、予算に余裕があればそういった戦略をたてることもできます。
多くの機能が無料で使え、更新や投稿の手間がかからず、ある程度操作を覚えれば誰にでも扱えるのもSNSの大きな利点です。
拡散力という点においてはずば抜けているのはやはりTwitterです。これだけではホームページの代わりにはなりませんが、先にあげたFacebookと平行して運用すれば、十分な効果を発揮してくれます。
お手軽にお知らせ
急な休みや営業時間の変更など、お知らせ機能としての役割に関してはTwitterに軍配が上がります。
なんと言っても、リアルタイムな情報を届けるという点に置いては長けており、サイトにTwitterのフレームを埋め込んで置いてお知らせ代わりにしている店も少なくありません。
文字数制限がありますが、Facebookよりは手軽に投稿できる点は優れており、FacebookとTwitterの2段構えで運用している店がほとんどです。
また、日本人ユーザーの割合が多いというのも大きなメリットです。
写真の投稿がメインなる飲食店においては、Instagramが欠かせません。インスタ映えという言葉のように、美しい料理やおしゃれな店舗であればより利点を活かせるSNSです。
Facebookと連動させておけば、1手間でより多くのユーザーへ情報を届けることができます。
年齢層に差があるので、若い方をターゲットとしておくのであればInstagram、年配をターゲットとするのであればFacebookといった使い分けもできます。
飲食店の場合は、基本的にこの2つはセットで運営させることを考えて置いたほうがよいでしょう。
グルメサイト
デメリットの際にも取り上げましたが、食べログやホットペッパーなどのグルメサイトに登録するのが、最も手軽に集客効果を得られます。
検索にも強くユーザー充実
Google検索にも強く、他のお店を見たユーザーが自分の店のページに流れてきてくれることもあります。そのため、検索でわざわざ引っかからなくても、グルメサイト内に来てくれさえすれば、ユーザーの目に届くことがあります。
レビューや星などの問題もあって、賛否両論のあるサービスも多いですが、備えられている機能は飲食店を運営する上では必要不可欠なものがほとんどです。
メリットであげたメルマガなどの機能においても、わざわざ店単位で準備しなくても備えられていたり、予約システムについても細かな情報まで確認項目として設定することができます。
ペライチ
1ページであれば無料で作れるので、ランディングページのような1枚ものでも良ければこのサービスを利用すると良いでしょう。
より自由にカスタムをしたければ、有料登録を検討しましょう。
SEO対策という点においては、ペライチそのものの恩恵もあるため、0からホームページを立ち上げるよりは優位に立てます。
お問い合わせ機能もあるので、予約フォームの代用にすることも可能です。
また、HTMLなど専門的な知識がなくてもカスタマイズできるので、最低限のパソコンの知識さえあれば外注せずに作れます。
その他、飲食店向けのホームページ作成ツールやサービスもあるので、コストや手間のことを考えるとそういったものも検討しておくと良いでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は「飲食店がホームページを作る上で知っておきたいメリットとデメリットについて」をテーマに解説しました。
もしこれから、お店のホームページを作りたいと検討している方は、今回説明したメリットとデメリットを比べてみて、最後にあげた代替案で十分ではないかを考えてみてください。
もしメリットを活かしきれると莫大なリターンが期待できますので、チャレンジする方はぜひ参考にしてください。