どうも、児発ねっとの中の人です。
この度は児童発達支援・放課後等デイサービスといった療育施設の事業所検索サービス「児発ねっと」を開始することになりました。
本ブログでは、プログラミングやデザインといった内容のコンテンツを紹介しているため、児発ねっとのサービスは少し異色になります。なので、今回は本ブログらしく「なぜ児発ねっとを作ったのか?」といった開発秘話など裏側の内容を中心にご紹介していきます。
どうやってシステム開発まで行き着いたのか、何が役立ったのかなど、これからプログラミングを武器にしようとしている人にとってもためになれば幸いです。
事業所検索サービス「児発ねっと」とは?
まずは「児発ねっと」というサービスについて簡単に説明しておきます。
冒頭でも紹介した通り、「児童発達支援」と「放課後等デイサービス」といった障がいをもったお子さまが通う施設を探せる検索サービスです。
もちろん、ただ事業所が検索できるだけのありきたりなものではありません。このサービスのコアとなっているのは以下の2つです。
- ホームページが簡単に作れる(事業者向け)
- 事業所が選びやすい(保護者向け)
ホームページが簡単に作れる
事業者は児発ねっとへ登録することで、法人・事業所のホームページを自分たちで作成できるようになります。ブロックエディタを使用しており、HTMLなどの専門知識がなくても簡単にページが作れるのが特徴です。
近年では欠かせないとまで言われているブログ機能やお問い合わせフォームはもちろん、児童発達支援・放課後等デイサービスでは毎年ホームページに掲載が義務付けられている「自己評価結果公表」の掲載機能も標準でついています。
事業所が選びやすい
保護者向けの「事業所検索サービス」では、児発ねっとへ登録している事業所を住所やキーワードで検索できます。
ただ事業所を検索するだけのサービスは数多くありますが、児発ねっとでは検索後にそのまま事業所ホームページが表示され、そのサービス内容や活動ブログが読めるというのが利点になっています。
近年ではこれらの事業所が増えてきており、お子さまにあった事業所を探すのが大変です。ですが、事業所紹介ページと直結していることにより、通える地域の事業所を探すことが容易になり、お問い合わせから見学・通所までの一連の流れをスムーズにします。
児発ねっと開発秘話
ここからが、本ブログ読者の多くが期待する(であろう)児発ねっとの開発秘話についてです。
実は、このシステムが完成に至ったのには、私自身の社会人入社から今までの経験すべてが圧縮されています。
- なぜ「児発ねっと」なのか?
- なぜ、万人向けのホームページ作成サービスではないのか?
- なぜ、療育施設専用のサービスなのか?
- どうやって「児発ねっと」という形に行き着いたのか?
もちろん、ただの思いつきでできたサービスではありません。今回のサービスでは、しっかりと企画から設計、戦略を練った上で数ヶ月という時間をかけて完成まで至りました。なので、このサービスに行き着いたきっかけと理由についてご紹介します。
知識とスキルの足し算
1つのスキルまたは知識で勝負しようとすると、競合も多く険しい戦いになります。例えば、プログラミングに重点を置いてホームページ作成のスキルで勝負をしようと思っても、ホームページを作れる会社や個人はかなり多く、過酷な世界です。
そこで、自分が「ある程度長けている」スキルや知識を足していくことで、競合を減らしてオリジナリティを追求しました。
私は社会人になって初めての勤め先が、児童発達支援・放課後等デイサービスを運営している会社でした。現場スタッフではなく、事務関係やホームページ作成をする特殊なポジションだったことも有り、制度や運営に必要なことはざっくりと知識として理解することができました。
ただ、この知識だけで勝負する自身もなかったため、並行して身につけていたプログラミングのスキルを活かして、ホームページ制作やシステム開発の仕事に携わりました。
それぞれある程度は特化してきたとは言え、最前線で戦う人と比べれば遠く及びません。ですが、この2つを足し算することで新しいコンテンツを生み出せば、ある程度独壇場が作れるのではないかと考え、その結果「児発ねっと」というサービスが生まれました。
PHPポケモンから学んだこと
スキルや知識を足し算することは、サービスを生み出す上では常識かも知れません。ですが、なかなか思うように形にならないものです。実はこれを後押ししたのが、本ブログで実施していた「PHPポケモン」なのです。
PHPポケモンとは、PHPというプログラミング言語を使って、初代ポケモンのゲームを再現、その過程を記事にまとめるといった企画です。ホームページを作る技術と、ある程度のポケモンの知識を組み合わせることで誕生しました。
反響については一部から高評価をいただき、全体でみればニッチな企画でしたが、ここから多くのことが学べました。
ポケモンというコンテンツだけで勝負するには、知識も経験も乏しく、YouTubeでゲーム実況やポケモンの動画をあげて収益化できるレベルとは程遠いでしょう。PHP単体でみても、まだ把握できていないことが多すぎて、メンターやコンテンツ販売をしたところで勝負にはなりません。
ですが、やっている内にこの異色の2つを組み合わせることができる人は、かなり限られてくるということがわかりました。
これが、「児発ねっと」というサービスを思いつくまでに至った最大のきっかけです。
ユーザーファーストの目線
「児発ねっと」に行き着くまでに、様々なシステムやアプリ、サービスを考えてきました。そこで大きな決め手となったのが、ユーザーファーストの目線です。
事業者の抱える悩み
知り合いから「事業所を新しく立ち上げるからホームページを作りたい」という話を持ちかけられ、ホームページ作成の簡単な見積もりと計画書を作りました。
ただ、金銭的に余裕がないということは知っていたため、私自身としてもあまりオススメはせず、相談した結果、無理に立派なホームページを作らず無料や低価格のサービスを使ってやりくりする方法もあるという結論に至りました。
ここで大きく考えさせられたのが、提供する側とされる側の価格イメージの乖離です。
ホームページを作る上では、どうしても初期費用として数十万円という金額がかかります。数万円まで抑えることも可能ですが、0から作るとなれば殆どの方が様々な機能を欲しがり、こだわったデザインを求めてきます。そうなれば、どうしてもある程度の資金力が必要になってしまいます。
次に、月々の保守費用です。月数万円という金額はやはり事業所にとっては大きく、これもオススメしないポイントの1つです。
サーバーやドメイン代だけであれば、月数千円という低価格でも準備が可能です。しかし、更新やメンテナンスを含めていけば、どうしても価格は膨らんでいきます。
さらに、初期費用と月々の費用をかけてまで、集客効果が得られるのかも悩まされる部分です。更新をおろそかにすればユーザーは定着しないため、ブログなどの更新はこまめにする必要があり、人員と時間というコストも上乗せされてしまうのです。
解決案
これらの事業者の悩みから、解決方法を導き出したのが「事業所のホームページが簡単につくれるサービス」です。
児発ねっとは、2021年6月現在では10,000円/月で利用することができます。※セール期間中に登録すると5,000円/月になっておトクです♪
初期費用もかからず、ページの更新も容易、月々のコストも保守費用より安く利用できるという、事業所が抱える悩みを1つずつ解決していきました。
また、検索サービスを兼ねていることもあり、登録するだけである程度のユーザーが集まる仕組みが提供できます。これが、児童発達支援・放課後等デイサービスというジャンルに絞った理由の1つです。
ご家族の抱える悩み
ユーザーファーストの視点は、事業者だけではなく実際に療育サービスを利用するご家族側にも置きました。
療育が必要だと通達を受けた方は、どのように事業所を探せば良いのかわからず苦戦する人が多いというのは、実際にこの業界で働いていたときに感じていました。
私が勤めていた会社では、他と比べて事業所数も多く、地域ではある程度名の知れた事業所だったため、ホームページを作るだけである程度の集客効果もありました。だからこそ、教室の近くに住んでいる方からすれば、すぐに見つけられたと話をいただくことがほとんどでした。
一方、近くに事業所があってホームページもある事業所を見つけられないご家族の方が多いのも事実です。運良く見つけられたとしても、どういった活動をしているのか、どこと何を比べて選べば良いのかがわかりません。
解決案
療育先をすぐに見つけられ、比べられるサービスがあれば、こういった悩みを払拭することができます。もちろん事業所検索サービスは既存のものがあります。そのほとんどが事業所概要を紹介するだけであり、事業所からすればサービスの良さまでは伝えられないという難点があったり、電話やメールでわざわざお問い合わせをしなければならないという使いにくすさも有りました。
児発ねっとは、ベースが「事業所のホームページ作成」になっているため、事業所側にとっても更新意欲が持て、保護者としても安心してアクセスすることができます。
ブログと直結していることもあり、概要以外にも比較対象を設けているのも大きな強みです。
こういった、ユーザーの悩みを知れたからこそ、どういったシステムが必要とされているのかにたどり着くことができました。
「儲かるかも知れない」「あたったら大成功」という考えで構築してくのではなく、そのサービスを使う側の視点と、現在抱えている悩みを解決する案を考えた結果がシステムを開発するという方法に行き着き、「児発ねっと」というサービスが誕生したのです。
児発ねっとが抱える課題
サービスはまだ始まったばかりで、まだまだ課題はたくさんあります。良いサービスが考案でき、形になってもそれを使ってもらわなければ意味がないからです。
最後に児発ねっとが現在またはこれから抱えていく課題についても触れておきます。
ユーザーへの届け方
最大の難関とも言えるのが、ユーザーへの届け方です。現在は登録事業所数が少ないため、まずは多くの方に利用してもらうことが第1の課題です。そのためには、低価格で作れるホームページに対する魅力をあげていくこと、訪れた方にとっても見やすくお問い合わせしやすいような作りにしていくことなどが挙げられます。広告を使用するにあたっても、現段階ではほとんどが事業者向けの内容になっています。
登録企業・事業所が増えてくれば、次は多くの方に見に来てもらい、検索サービスを役立ててもらうための改善とPRです。より使いやすい検索サービスの確立はもちろん、多くの人が見に来ても耐えられる環境の準備も大きな課題の1つです。
良いサービスが出来上がったとしても、それをどう活かして最大限の力を発揮するかが、これからの大きな課題となります。
サービスの方向性
登録ユーザーが増えてくれば、「児発ねっと」というシステム自体をアップデートしていかなければなりません。機能増設はもちろん、就労事業所など18歳以上を対象としたサービスでも利用できるようにするなど、ターゲットの拡張も視野に入れています。
見学申し込みなど、現場で働く方の意見も取り入れながら、より必要とされている機能も段階的に増設予定です。
価格については、当初の目的通りできるだけ低コストで利用ができるにしていきたいので、多くのユーザーが集まれば機能増設に対して基本価格を下げることができるかも知れません。
ユーザーファースト且つ、スキルと知識の足し算をしていきながら、より良いサービスを確立していきます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は新サービス「児発ねっと」について紹介と、開発秘話をまとめてみました。
システム業界からすると、福祉関係の内容は少し異色となりましたが、その過程は参考になるものが少しばかりあったかも知れません。
そう感じてくれた方は、ぜひ自身に置き換えて役立ててください。
児発ねっとでは、多くの事業所の参加をお待ちしています。無料登録でもお問い合わせフォームやページ作成機能が使えるため、気になった方はまず登録してみてください。
事業所の児童募集や採用の促進になるよう、その結果ご家族の方が簡単に事業所の探せるプラットフォームとなるよう、ぜひお力をお貸しくださいm(_ _)m