誘われたけど、欠点が上手く説明できない
権利収入って本当にもらえるの?
ネットワークビジネスと聞けば、良い印象を抱かない人がほとんどでしょう。ですが、「何故?」と問われて説明できる人は意外にも少数派です。
そして、SNSを積極的に活用している人ならば、一度は誘いを受けたことがあるのではないでしょうか?
今回は、ネットワークビジネスにおける落とし穴と、それを見抜くために理解しておきたいポイントなどを解説します。
ネットワークビジネスとは
そもそもネットワークビジネス(MLM)とは何なのでしょうか?
簡潔に説明すると、消費者がビジネスに参加するといった形式で、連鎖的に紹介販売を行い、その利益の一部を報酬と受け取ることです。
※その内容を詳しく知りたい人はwikiを参照ください
ネットワークビジネスとは
アメリカで誕生したこの仕組みには多くの企業が参入し、中には大手企業が第一線で活躍しています。
マーケティングの1つとして大学の授業で紹介していることもあり、ビジネスの仕組みとしては覚えておいて損はないでしょう。
合法?違法?
多くの方が良いイメージを持っていないはずです。それは、違法性を感じたり「本当に儲かるの?」という疑問からです。
やり方を間違えればもちろん違法となりますが、現在存在しているネットワークビジネスは上手く法律の穴を掻い潜り、合法で行われているものがほとんどでしょう。
ですが、合法だからと言って、それが全て理想的な仕組みであると思わない方が良いでしょう。なぜなら、合法であるためだけに対処されたようなネットワークビジネスは数多く存在しており、それを知らずに参加してしまえば取り返しのつかないことになってしまうからです。
危険な理由とは
また、詳しく調べず参加してしまえば、加害者に転じることになるのがネットワークビジネスの怖いところです。それは、消費者であると同時に販売者でもあるからです。
もし自分が利益を出せていなかったとしても、それに参加している以上は逃れられなくなってしまうということも十分に理解をしておかなければなりません。
だからこそ、よくわからない状態で参加するのは危険ですし、少しでも不明瞭な部分があれば手を出さないことをオススメします。
ねずみ講との違い
よく同じように考えられているのが、ねずみ講です。こちらは立派な違法行為なので、絶対に参加してはいけません。
ねずみ講の特徴は、商材が存在しないという点です。
会費などの金銭だけをやり取りをすることで、連鎖的に参入者を集めてその一部を紹介料として貰うことになります。
これは立派な違法行為であり、過去多くのグループが摘発されています。
その点、ネットワークビジネスでは商材を取り扱っています。浄水器や化粧品などといったモノで合ったり、ホテルの宿泊権利などバリエーションも豊かです。ただ、その一部が紹介料として支払われるため、実際に同じランクの商品と比べたときに割高であったり、ホテルの宿泊についても一部のサービスが付与されるだけであったり、実際には通常の宿泊代と同等の金額を払うような結果になるようなものも多くあります。
また、参加するために月額や年額で会費がかかる場合がほとんどです。紹介することによって連鎖的に報酬が増えることを考えると、ねずみ講の金銭的なやり取り部分は会費部分として利用し、商材も並行して扱っていると考えたほうが良いでしょう。
成立しない理由とは
では、なぜ多くのネットワークビジネスが成立しないのかを考えてみましょう。
商材の取引でマージンが受け取れるという点については、前項でも説明した通り割高になっていることがほとんどだからです。
化粧品であれば、同等の商品を化粧品販売店で購入したほうが安い場合がほとんどです。紹介料が上乗せされている以上、これは冷静に考えるとわかりますね。
一般の商品と比べても遜色ない価格で販売している場合もあります。ですが、中には商品原価を下げるために、わざと粗悪な物を売りつけるような悪質な企業も存在しているため注意が必要です。
また、実際に物を売るビジネスを経験したことがある人なら、商品を売り続けるということがどれだけ大変かわかるはずです。
紹介した人が売ることで、その一部を貰えるとしても、結局は誰かが売り続けていなければ成立しません。誰かが挫折した途端、物を売ることでマージンを得るというのは崩れていくのです。
損する人の存在
では、会費の一部が紹介料としてもらえる金銭的なやり取りの部分だけを考えてみましょう。
多くのネットワークビジネスでは、商品を販売することをメインの収益としていないことがほとんどです。それはお伝えしたように、商材を販売し続けることが困難だと解っているからです。
そこで、販売権利を持つ人から会費を集め、ネットワークビジネスを紹介して参加者を増やすことで、その会費の一部を権利収入という形で分配します。
基本的に、紹介した1層目からもらえる割合が一番多く、階層が深くなっていくに連れてその割合が下がっていきます。参加しているネットワークビジネスによって「N階層まで」と決まっていますが、範囲内の階層であれば増えれば増えるほど利益は大きくなります。
階層が決まっている以上、マイナスが発生しないということはわかりますね。
このとき、自分が一番左の親だと考えると「損をしない」「楽に稼げる」「勝手に権利収入が増えていく」と感じますが、一番右である子孫の立場に立って考えてみてください。
最下層にいる人は、紹介報酬が0円です。もし紹介できなければ、会費を払い続けることでどんどんとマイナスになりますね。であれば、そのビジネスから脱退することになり、最下層が消滅します。
消滅すれば、その1階層上の人が最下層になります。もし紹介ができなければやはり報酬が発生せずに、会費だけを支払うことになるため、マイナスを生まないためにも、やはり最下層は脱退することになります。
結局は、紹介し続けなければ報酬は発生せず、最下層の「損をする人」がいなければ成立しないということです。
楽観的な人は、自分が損をする人でなければいいと考えるかも知れません。そう考えて紹介を続けたとしても、最終的には「人口」という限界にたどり着きます。
人口の限界まで連鎖することは、ほぼ不可能です。それが日本人口であったとしてもです。もしたどり着いたとしても、その最下層の人は結局報酬がもらえずに「損をする人」であり、脱退すれば、その1階層上の人が「損をする人」に戻り、それが連鎖的に続いていくのです。
ネットワークビジネスの特徴は、連鎖的に増えていくということが良い点だと考えられていますが、損をする人がいる以上、連鎖的に階層が崩れていくことも理解しておかなければなりません。
権利収入というものが絶対的に感じるのは、あくまで増え続ける結果であって、崩れる要因があれば永久的に継続することなどあり得ないということです。
成立するケースとは
では、ネットワークビジネスはそもそも成立しないのでしょうか?
実は、そんなことはありません。マーケティングの一つとして歴史があるように、連鎖販売取引という仕組み自体は良くできているのです。
他のビジネスモデルと同じように、しっかりとした価値が提供できており、損をする人の存在を作らないようにすれば、成立させることは可能です。
価値の提供
商材を販売には、紹介料を上乗せする分だけ割高になってしまうということを説明しましたが、そもそも商材自体が完全オリジナルであり、そのネットワークビジネスでしか手に入らないのであれば比較対象が存在しないため、高額だと感じることがありません。紹介料自体が、そもそもの価値に含まれているという状態にしてしまうということです。
会費というサブスクリプションの部分においても、会員でいることのメリットが支払っている金額に見合っていれば良いのです。
ですが、それを成立させるのが難しいというのはわかりますね。商材であればやはり作るコストがかかりますし、もし販売商品に競合が出れば、紹介料が上乗せされているネットワークビジネスは価格競争で不利になります。
会費についても、少額にすることで負担そのものを減らすことで補填できると思うかも知れませんが、報酬を受け取る側としても少額の利益しか生まれませんので、やはり売りには成りえません。
それに見合う価値を生み出すためにもコストが発生するため、紹介料という報酬部分が必ずネックになるのです。
ですが、連鎖的に販売するという仕組みは、商品を広めるという点においては優秀です。だからこそ、そのメリットを得るためにもネットワークビジネスの仕組みを導入するということは、マーケティングの1つの手段には成りえます。
ただし、メリットには必ずデメリットが存在するということ、そのデメリットをどう緩和するのかということがビジネスにおける難所です。結局は「確実に儲かる「誰でも簡単に稼げる」という仕組みは存在しないということです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回はネットワークビジネスについて、権利収入の落とし穴とその成立の難しさについて説明しました。
合法であっても悪質なネットワークビジネスは多いため、もし参加を検討している方は注意が必要です。ただ、中にはその仕組みを上手く活用して、ユーザーの満足度を満たすようなものも存在しているので、100%が悪ではありません。
参加は慎重に、そして自分のビジネスにその仕組みを活かしたいと考えている人は、違法にならないよう、良い点を上手く導入できるようにしてみてくださいね。