「起業するために何を準備すべき?」
「やっておいて良かったことはありますか?」
独立や起業をしようと志している人のほとんどが、こういった質問を投げかけてきます。自分も同じような悩みを持った立場の時には似た質問をしていたので、その真意はよくわかります。
今回はそんな悩みを抱えてた人へ向けて、20代起業家が「やっといて良かった」と感じたコトの中から以下の3つについてご紹介します。
- 会社員を経験する
- 大家さんと仲良くする
- 作業場所を見つける
私自身が経験して、本当にやっておいて良かったと感じた代表的な3つを具体的に解説するので、最後まで読めば必ず起業・独立をする際の助けとなってくれるはずですよ。
会社員を経験する
一部では学生起業を勧めたり、企業に就職することにメリットが無いという層もいますが、私は起業するなら一度社会人を経験すべきだと考えています。
実際にその恩恵はかなり大きかったと言えます。特に私と同じような、慎重派かつ心配性のタイプの人こそ、一度会社員を経験してから起業してみるのが向いているでしょう。
私は高校生の頃から起業したいと考え、大学生の間もそれを思い続けていました。ですが、いきなり起業する気は毛頭なく、会社員⇒起業(独立)というステップは必ず踏むべきだと強く感じていました。
その大きな理由が「会社というものを知るため」です。
「わからない」を細分化しよう
会社へ入れば、経営事情やどうやって成り立っているのかが少しずつ分かるようになるものだと思っていました。ですが、そう簡単なものではありません。
勤めた会社は中小企業だったので、どのぐらいの経費を使っていて、どのぐらいの利益を得ているのかはなんとなく想像できましたが、どうやれば法人が作れるのか、どうやればお金が借りられるのか、どういった税務処理が必要なのかなど、具体的なことはわからないままです。
ですが、その「わからない」を細分化できることこそが、会社員を一度経験するメリットでもあったのです。
勉強に置き換えて考えて見ましょう。
一部の人を除いて、中学生になった時点では「数学」というものがわかりません。ですが、勉強がスタートすれば「2次方程式がわかならい」であったり、「反比例がわからない」であったり、徐々にわからないことが細分化されていきます。
実はどんなことであったとしても、やればやるほどわからないことは増えていきます。詳しく知れば知るほど、その先にあるものが見えてきてしまい、よりわからないことへ直面してしまうのです。ですが、これは「何がわからないのか」が徐々に具体的になってきているということを意味します。
そのため「すべてを理解した」状態で起業するのはほぼ不可能です。1つ理解すれば、更に細分化されたわからない問題が出てきてしまい、終わりなき迷路に入っているようなもので、実際にはやらなければわからないという具体性の無いことも多いからです。
会社員を経験すれば、ワンステップ「会社のわからないを細分化」したことになります。もし、その細分化が甘いと感じれば、転職して更に細分化してみることもオススメします。
起業した際、問題が細分化されていれば解決は早くなりますし、何から取り組まなければいけないのかという道筋は具体的になります。そのためにも、最低1度は会社員というステップを経験するしてみることです。
取引先と仲良くしよう
会社員になる最も大きなメリットとされるのが、取引先との関係が作れるということです。同業種であれば、このメリットは更に大きいと感じられるはずです。
取引先には自分の仕事レベルをアピールできるため、「できる人」だと思わせることができれば辞めた後でも仕事を依頼してくれる可能性があります。
エンジニアやデザイナーといったように、個人のスキルが重視されるような仕事であれば尚更です。その人に力があるということがわかれば、会社を通してお願いをするよりも、直接やり取りをするほうが融通を聞いてもらえたり、余計な費用がかからないなど、頼む側としてもメリットが大きく、Win-Winの関係が築けるのです。
もし起業を考えている人であれば、取引先を含めた飲み会などは積極的に参加してみることです。なければ、やり取りの中でほんの数分でもプライベートの話を交えたりして、些細ながらも交流を持つようにしてみてください。そういった積み上げが、将来的に大きな関係となったり、数珠つなぎでクライアントが増えていくことにもつながるのです。
大家さんと仲良くする
私は大学を卒業した時点で一人暮らしを初め、そこから約5年後に起業しました。その間、心がけていたのは「大家さんと仲良くする」ということです。もちろん起業するために仲良くしていたわけではありません。家賃を払っているといっても、住まわせて貰っている立場上は仲良くしておくべきだと思っていますし、話しやすく明るい大家さんだったからこそ、中の良い関係が築けたのは事実です。
ですが、これが起業する時にかなり大きな恩恵が受けられることとなったのです。
自宅を事務所にしよう
人を雇って職場を確保しなければいけなかったり、店舗を必要な仕事をするとなれば違ってきますが、私の場合は1人会社でパソコン1台あれば仕事が成り立ちます。そのため、事務所を借りる必要がありません。なので私は、自宅を事務所にすることにしました。
家賃を経費とするためにも、賃貸契約を個人から法人に変更する必要があります。ですが、通常の賃貸物件では「住居のみ」とされていることがほとんどで、そう簡単に許可をもらうことができません。しかし、私が大家さんに「法人化したい」という旨を伝えたところ、快くOKをいただくことができました。
後日話しを聞いてみたところ、管理会社からは苦言を言われたそうです。ですが、管理会社の立場からすれば「大家さんがOKを出した以上は聞かざる負えない」ということで、渋々承認をしてくれました。大家さんとしても「若者の起業は応援すべき」と強く押してくれたこともあって、自宅を事務所とすることができたのです。
大家さんからすれば、「すれ違ったらしっかり挨拶をしてくれる」「部屋を綺麗に使ってくれている」「仲良くしてくれている」ということあったからこそ、反対する理由が無かったとのことです。改めて思い返しても感謝の言葉しかありませんし、仲良くしておいて本当に良かったと強く感じています。
※余談ですが、部屋を綺麗に使っていることを大家さんが知っているのは、雨漏れや設備交換の際に大家さんに立ち会いをしてもらっているからです。会社員時代はほぼ自宅にいなかったため、業者が来る時間対応できなかったのですが、大家さんにお願いすれば代わりに立ち会いをしてくれていました。男性の一人暮らしで部屋を清潔に保ってくれているケースは少ないそうで、それだけでも印象は良かったそうです。
作業場所を見つける
社会人時代は、日曜日ぐらいしかまともな休みがなく、大した趣味もなく友人関係も乏しかった私は「カフェに行って読書をする」というのが日曜日のサイクルとなっていました。ですが、これが独立・起業した今大きく役立っているのです。
カフェ巡りをしよう
パソコン1台あれば仕事ができるので、基本的に日中は自宅で仕事をすることがありません。どうしてもプライベート空間にいれば作業効率が低下してしまうため、自宅外で人目があるような場所で仕事をするほうが仕事の質が高くなります。
ですが、その候補が1〜2件しかなければ、先客がいると待つか諦めて別の場所へ移動しなければなりませんし、長時間滞在で退席をお願いされた場合でもその都度探す必要があります。また、コンセントやWi-Fi環境など条件がある程度整った場所でなければ仕事ができない人は、座れればOKということでもありませんよね。
しかし、私の場合は会社員時代からカフェ巡りをしていたことが幸いして、候補地のバリエーションが豊富です。1件ダメだったとしても代わりはいくらでもあり、そのすべてが不可になることはまずありません。
では、現在も役に立っているカフェ巡りのポイントについて簡単にご紹介しておきます。
コンセント探し
最大のポイントはコンセントです。現在はパソコンを使った仕事が多いということもあり、充電が無くなってしまえばどうしても業務が成り立たなくなります。そのためにも、どのカフェのどの席にコンセントがあるかはチェックしておきましょう。
「コンセント席」として開放しているお店であれば、それだけ人も集まりやすく競争率は高くなります。ですが、中には隠れコンセントなどが近くにある席や、カフェ紹介には書いていないがコンセントがあるようなお店も数多くあります。
マクドナルドなどのファストフード店でもコンセント完備の席が設けられていることもあります。パソコンを広げて長時間滞在できる候補店を探す最初のポイントは、コンセントの有無なのです。
Wi-Fi探し
パソコンを使って作業する場合、ネット環境が整っていなければ限られた作業しか行なえません。そうならないためにも、フリーWi-Fiが開放されているような場所を探さなければなりませんが、電源とWi-Fiという条件を踏まえるとその数は激減してしまいますし、それだけ競争率も高くなります。
中には公衆無線LANサービスが、月額数百円で多くのお店で使えるものもあるので、もしフリーWi-Fiを探すのが難しい場合はこちらを検討してみるのも良いでしょう。
中には繋がりにくいものや、1時間制限で連続使用ができないものなどもあり、条件も踏まえて快適な環境を探し出すのは難しいでしょう。ですが、スタバやドトールなどチェーン店ではカフェ専用のフリーWi-Fiを提供していますし、ショッピングモール内であれば使えるものが完備されているような施設もあります。貪欲に探してみればコストをかけずに利用できるものは多くあるため、それらを網羅できていれば余計な経費をかけずに作業環境を確保できるようになります。
椅子探し
コンセントとWi-Fiの重要性は、パソコンを使う人であればカフェに行かずともわかるでしょう。ですが、作業する上で重要なポイントはその2つ以外にも存在します。
それが、作業する場所の「椅子」についてです。
クッション性の高い椅子であれば、長時間座っていても快適に作業できるのですが、座面が木や金属のクッション性がないような椅子であれば、せっかくの集中できる環境でありながらアイテムによるマイナス効果を受けることになってしまいます。
どうしてもコンセントやフリーWi-Fiという条件下ではそういった椅子しか完備されていないのであれば、持ち運びできるような小クッションを準備しておいたり、タオルや上着を敷くなどして対策するのも良いでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は「20代起業家が『やっといて良かった』と感じたコト」を3つご紹介しました。
これから起業しようと考えている人は、日頃の些細な取り組みから初めてみてください。学生であれば、会社員を一度経験することのメリットも検討してみるべきです。
起業・独立をするために日々試行錯誤したり悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。