スキル関係の記事が多めの当ブログですが、今回は「食」をテーマに触れていきます。突き詰めていけば食も立派なスキルであり、奥が深いものです。更に、生活の基盤となるため多くの人がこの問題に直面することであり、健康とも直結するため仕事などにおけるパフォーマンスにも大きく関係します。
これから一人暮らしをする人や、食事について大きく考えたことがなかった人、または食費について悩みを持っている方にとっては思わぬ発見があり、参考になるでしょう。ぜひ騙されたと思って最後まで読んでみてください。
自炊と節約
まず、よく取り上げられる疑問点として「自炊と節約」について触れてみましょう。
特に一人暮らしの方は、自炊するよりも外食やスーパーで出来合いのものを購入する方が安く済むと考えがちです。確かに出来合いのものでも突き詰めていけば安いものが多く、カップラーメンなどであれば60〜70円で1食分手に入ることもあります。
しかし、そんな極端な安価な食事と比べたとしても、自炊の方が断然に軍配があがると言えます。
30日分の食事
まず考えるべきポイントは、1食分の食事で計算をしないということです。
1食分の食事だけを自炊するとなれば、どうしても出来合いのものには敵いません。理由は簡単で、出来合いのものは売られる状態は1食分だったとしても、作る段階では1食分として作られていないからです。
基本的に、自炊で生活をするためには1ヶ月(30日)という単位で計算することが多くなります。慣れていない方は1週間で考えてみてください。
買い物をする際に、かごに入れるすべてのものが基本的に「1回で消費できないもの」にすることが大事で、消費までにかかる回数が多ければ多いほど単価が下がります。仕事でも同じで、仕入れを細かくするよりは一気に在庫を抱える方が安く済むものです。
さらに、在庫抱え状態が長く続いたり、消費できなくなってしまえば赤字となります。自炊でも同じく、大量仕入れをすることで1回あたりの単価を下げることが出来ても、その大半が使えなくなってしまえば割高に逆戻りです。
これらを踏まえ、1ヶ月単位で必要な量を購入するようにしておけば、1食あたりの金額は格段に抑えることができます。食事構成を全て考える必要はなく、1ヶ月(1週間)で消費しきれる量を想定することが大切なのです。
期限と健康
ここでネックになるのが「賞味・消費期限」についてです。1ヶ月分を安く大量に仕入れたとしても、腐らせてしまえば意味がありません。野菜などは特に日持ちするものがすくないため、1ヶ月分を購入するとなれば買うものは限られてしまいます。
しかし、じっくりと食品コーナーを見ていれば様々な解決策が見えてきます。その大きな1つが「冷凍食品」です。
コロッケや野菜炒めといった、温めるだけですぐ食べられるような冷凍食品もありますが、加工前の冷凍食品がポイントです。もちろん購入するスーパーによっても異なりますが、大量の魚や野菜などが袋冷凍で売られていることがあります。これらを生野菜と比べると格段に安く、冷凍しておくことで日持ちします。
また、魚などは時間帯を見て購入すれば割安になっているものが安価で手に入れられ、小分けして冷凍保存しておくことで長期間に分けて食べることができます。
冷凍食品以外では、納豆やキムチといったものも調理手間がなく突き詰めていくことでかなり金額を抑えられます。納豆では45グラム3パック39円が、自分の身の回りでは現在最も安価です。キムチに関しては1キロ250円で手に入ります。
生活の流れも常に一定では無いため、どうしても期限が過ぎてしまうこともあります。もちろん「賞味期限が切れたものでも大丈夫」といったことは言いませんが、多少は気にせずに食べるようにしています。ただ、切れた際には少し配慮して1度火を通すなど一手間加えるだけで気持ちばかり安心して食べることができます。納豆などは炒めても美味しいものです(但し匂いはキツくなるので苦手な人は注意が必要です・・・)。
1円当たりの内容量
より1回あたりの金額を抑えるために、買い物の際に意識しておきたいのが「1円あたりの内容量」です。スマホでは標準で電卓の機能がついているので、今では暗算せずとも簡単に算出が可能ですね。片手に電卓を起動したスマホを持って買い物してみると、意外と楽しめるものです。
これを意識するだけで、意外なものが見えてきます。
基本的には大容量の方がグラム当たりの金額は安くなります。しかし、中には大容量の方が割高になっているケースもあります。その差が大きければアバウトの金額を出すのは簡単ですが、「500グラム130円」と「600グラム175円」などのように近い金額を提示されると、パッと見ではどちらの方がお得か考えにくいものです。
この場合は前者「500グラム130円」の方が安くなりますね。円÷グラムで1グラム当たりの金額が算出できます。
前項でも説明しましたが、安ければ良いというわけでもありません。消費できなければ意味がなく、破棄してしまうことが最もコストのかかる結果となることを踏まえて、内容量は計算してみてください。
食を楽しむ技術
次に、料理ができるか出来ないかということについて少し考えてみましょう。
基本的に料理が出来ないというのは「食べられないものが多い」ということに直結します。購入した野菜をフライパンに入れて火を付けるだけで立派な料理です。焦げてしまったとしても食べられれば問題ありません。
ですが、中には「焦げているものは食べたくない」「美味しくない」などと制約をつけて食べれられるものを制限しています。これを悪だとは言いません。重要なのは、食べられるものが多い人の方が料理ができるということです。
そして、食べられるものが多い人ほど食という時間を調理する時間も含めて楽しむ技術があるということなのです。
良いものは美味しい
とれたて新鮮の魚はとても美味しいですね。当たり前ですが、良いものを突き詰めていけば、美味しいものに巡り合う機会は多くなります。ですが、高いから美味しい、安いからまずいというわけではありません。
金額は確かに良し悪しに左右されることが多いですが、それらは調理段階で十分に補正ができます。お刺身の用にそのまま頂くものに置いては難しいかも知れませんが、火を通すとなれば、調理方法は格段に増えるため十分に補正が可能なのです。
※お刺身でも切り方や保管の仕方、醤油や薬味の有無で補正可能ですが、今回は対象外とします
ここで押さえておきたいのは、自炊では素材そのものが勝負の決めてにはならないということです。揚げるか、焼くか、炒めるか、茹でるか、この4通りだけでも大きな違いがありますし、調味料や一緒に合わせる食材によっても大きく変わってきます。
前述したようい、基本的に何でも食べられるという姿勢の人は、これらを試しながら自分に合った回答を見つけ出します。しかし、そもそも「食べられない」「料理が出来ない」と決めつけてしまう人は、回答にたどり着くチャンスすらを失っているということなのです。
満足感と味
実は調理技術以外にも味を高める方法があります。それが「満足感」です。
味が良いから「満足感」が得られるというのが一般的な考え方ですが、これが自炊になれば少し違ってきます。なぜなら、自炊の場合は食べる前から満足感がある程度満たされることになるからです。
いつも100円で購入していたものが、50円で手に入るとなればそれだけで満足感は増します。ここでの満足感は「お得」という感覚です。色んなお店で料理を楽しむ人であれば、お店によって同じ料理でも値段が違い、その中で格段に安いものにたどり着く人もいるでしょう。
こういった満足感は、味を高めてくれます。良いものは味の期待感を高めますが、満足感が既にある程度満たされていれば、味そのものが低かったとしても「この金額でこれが味わえる」というトータルで見た際の価値が高くなるのです。
少し貧乏性な考え方に感じるかも知れませんが、人間という感情を持った生き物ならではの楽しみ方であるため、これは非常に大切なことであり、生き物の生存本能という観点から見ればごく自然なことです。より生きていくために効率の良いものが求められるか、という考え方を繊細にしていくことで、食そのものを楽しむことができるのです。
タイムイズマネー
最後に時間とお金の関係について、前述した食も絡めながら考えていきましょう。
自炊をするには時間がかかります。もちろん比較対象にもよりますが、お店でお金を払って食べるほうが自由な時間は多く、手間もかからず1食を終えられます。場合によっては美味しいものが食べられます。
これは、調理や買い物の時間をお金で解決していることになり、あくまで時間は有限なのでそれをお金で解決することでより「有益な時間を増やす」という考え方です。
しかし、これは正しいように見えて、捉え方一つで無意味どころかマイナスの要因となってしまうのです。
タクシーは正解?
これらを表現するために良く例えとして用いられるのが「電車よりタクシー」です。
電車のように、座れるか座れないか、乗り換えや徒歩の距離などが発生するものを安く済ませるよりも、タクシーに乗って目的地までを有意義に過ごせるほうが高いお金を払ったとしても時間の価値が高いというものです。
確かに、電車移動でできないことをタクシーの中でできることで、それがお金に直結して支払い金額を上回れば成立しますが、ほとんどがそうではありません。
タクシーに乗ったとしても、その時間を有益なものに変えられる人はごく少数です。ストレスや疲労という観点から見てタクシーの方が優れていると唱える人もいますが、そこで生まれたストレスや疲労の差が、通常生活していく中で常に蓄積した状態とは限りませんし、その差が金額を上回るだけの価値に変わるかどうかも怪しいものです。
更に言えば、電車に乗る価値を言及すれば変わってきます。電車に乗れば多くの人と無意識的に接することとなります。そこから流行や生活を学ぶことにも繋がりますし、聞こえてくる会話から有益な情報が得られることもあります。広告や風景から得られる情報というものも、マネタイズのきっかけになる可能性も秘めていると言えるでしょう。
これらは、どちらの方が優れているということを導き出すことは難しいということを意味します。そして1点、例えば「お金」に着目してどちらが得かと問われれば、金額として見えている「タクシー代」「電車代」を比較して安い方が得だという結論になります。
買い物という時間
少し食というテーマからずれてしまったので、締めに戻してから終えましょう。
自炊する上では「買い物」という時間の消費が必ずつきまといます。しかし、これが意外にも有益な時間となります。
買い物をするということは、様々な価格の比較をすることになります。そうすることで、季節による価格の変動や、産地による違い、さらには「魚」「肉」といった種類によった金額差が見えてきます。
メーカーによる違い、販売店による違いもとてもおもしろいものです。同じポテトチップスでも販売店によっては10円ほどの差があり、理由を考えて行くと「購入される量の違い」が見えてきます。大量仕入れができるか出来ないかは、私たちもコストを抑える上で考えているように、お店も考えているということです。
本記事でいくつか取り上げましたが「筆者の身の回りに安い店が多いだけだろう」と思う方もいるかも知れません。確かに買い物をする環境としては恵まれていますが、最初からこれらの回答が用意されていたわけではありません。生活圏内を調査しながら色んなお店を比較した結果、現段階の最適解がこれらというだけです。そして、その範囲も広く、常に買い物に対する意識を金額比較に置いているため、気づけただけに過ぎません。
食に対して、それに関係することにどれだけ意識を向け回答を見つけ出すか、それにどれだけ有益な時間を投資できているかが、より大きな差となっているのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は食に関する考察として「自炊」をテーマに様々な考え方をご紹介しました。
これから一人暮らしをしようとしている方や、食費に対して悩みを持っている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。