商品やHPなど様々なところで価値を提供している「デザイン」ですが、それがもつ本当の意味や価値というものは意外と知られていません。
一般的にはイメージを作る・伝えるということで要求されるものですが、突き詰めた先には人間の深層心理に働きかけるブランディングという要素が潜んでいるのです。
今回はそんな「デザインとブランディングが生み出す本当の価値」についてご紹介します。
本当に価値のあるデザイン
2019年11月にUCCミルクコーヒーの茶色・白色・赤色の3色が「色彩のみからなる商標」として登録されました。このように3色の組み合わせで商品が連想できるということこそがデザインの完成形であり、ブランディングとして成立しているというものです。
極めた先のブランディング
デザインというのは、商品の良さや特徴、イメージを伝えるための手段として用いられることが一般的です。例えばパステルカラーで構成されたものは優しさを感じさせ、ビビッドカラーで構成されたものは無邪気さや子供っぽさなどを比較的伝えやすいのです。
さらにそれを突き詰めていくと、イメージだけでなくモノ自体を伝えられるようになります。それこそが今回のUCCミルクコーヒーの例です。
イメージを伝えるためのデザインと、ブランディングを備えたデザインの大きな違いは「歴史」です。例えば、UCCのミルクコーヒーが今日このカラーで販売されたのであれば、その時点ではまだブランディングとしては成立していません。これを年数を重ね多くのユーザーに浸透することで初めてブランディングは成立するのです。
少ない情報で連想させる
また、ブランディングのポイントは情報量の少なさでより大きな情報や影響を与えることです。UCCコーヒーの場合、たった3色という少ない情報だからこそブランド力として価値があるのです。
これがもし、赤青黄色緑橙桃金銀紫の組み合わせと独創的な形とフォントというように情報量が多くなればなるほど、ブランディングとしての質は低下します。もちろんそれが成立すれば商品を連想させることができるかも知れませんが、成立させること自体が難しいのです。
少ない情報量でブランディングができれば、街中にその組み合わせが存在するだけで潜在的に商品を連想し「飲みたい」「買いたい」という人間の欲求に働きかけることに繋がります。ここで非常に重要なポイントは、人間自体がそれに気づかないということです。
「理由はないけど選んだ」というのは、ブランディングの頂点なのです。
ロゴに大金をかける理由
色の組み合わせだけで成立しているものは少なく、非常に難しいものです。より長い歴史が必要になるほか、類似するものを圧倒するだけの力が必要になるからです。
そこで多くの起業やサービスが力を注ぐのが「ロゴ」なのです。
大企業はロゴを作るために高額を投資します。一般人から見れば「自分でも描ける」と思ってしまいがちですが、実はそこには奥深いものがあるのです。
サブリミナル効果
ディズニー映画のパイレーツ・オブ・カリビアンのマークを見てみましょう。
このドクロにバッテンの馴染みあるマークですが、ここにはディズニーの代表キャラクターであるミッキーの形が隠されており、サブリミナル効果が含まれていると言われています。
他にも有名なものであれば、アメリカの運送会社として有名なFedExです。
このEとxの間には矢印が隠されており、安心して商品を次の地点まで届けるという意味が含まれています。
Amazonやスターバックスといった大企業のロゴにも同じように様々な意味が含まれており、それを見たユーザーへ暗示をかけています。そして重要なポイントは「気づく必要はない」ということです。
解説されると「なるほど!」「深い!」と感じるかも知れませんが、日常生活で見る中ではそこまでロゴの意味を深読みする人はいません。ですが、一時期テレビ業界ではやったような映像のワンフレームに商品や企業、人を連想させるものを差し込むなどした手法が盗られていたように、気づかなくても影響を受けてしまうことが重要なのです。
さらにロゴが簡易であればあるほど、生活に潜むデザインの中で企業側が意識せずとも商品を連想させるような期待が持てます。りんごを見たらApple製品であるMacが思い浮かんでしまうようなことです。これが100人中1人でも影響を受ければロゴとしては成功していると言えます。その分子が増えれば増えるほど、ロゴブランディングというのはレバレッジが高く影響して、爆発的な力を生み出すことになるのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は「デザインとブランディングが生み出す本当の価値とは」についてその重要性をご紹介しました。
デザインに興味がある方、マーケティングの武器としてロゴや商品イメージを作り上げていこうと考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。