「お金を稼ぐための基本的な3要素」に続く、「実践的な3要素」です。
前回は、単価、頻度、客数の関係を理解すれば、お金を稼ぐ仕組みがどのように成立しているのか、そしてどういったアプローチをすればお金を稼げるのかがわかりました。
今回は、直接お金に関係する実践的な3要素です。どういったアプローチをすれば利益を増やすことができるのか、税金を上手く活用するとはどういうことなのか、そしてより効率よく収益を高めていくためにはどうすればいいのかという具体的な点についてご紹介します。
コストを下げる
利益を拡大するためには、売上を維持したままコストを下げることが最も簡単に着手できる方法です。
ただし、これには危険が隣り合わせとなります。
なぜなら、間違ったコストカットをしてしまえば、ビジネスの規模そのものを縮小してしまうことになったり、崩壊してしまうこともあり得るからです。
削って良いものとダメなもの
では、コストカットをするというのはどういったことなのか、100円で仕入れたものを200円で売っている場合で考えてみましょう。
仕入れ価格を安くする
1つ目は、仕入れの100円を安くすることです。
品質を下げ、80円で似たようなものに差し替えることでも20円分のコストカットができます。同じ商品の場合でも、10個まとめて注文すると900円で仕入れることが出来るのであれば、1個辺り90円で仕入れていることになるので、10円のコストカットになります。
売るためにかかる費用を安くする
2つ目は、商品を売るためにかかっているコストを下げるという方法です。100円で仕入れて200円で売っているとしても、粗利が100円であって、実際にはもっとコストが掛かっています。
まずは人経費です。その商品を売るために人を雇っていれば、その分が上乗せして考えておかなければなりません。時給1,000円で1人雇い、1時間に100個売れているとしましょう。であれば単純に計算しても1個あたり10円の人経費がかかっていることになります。これを時給900円にすれば、1個あたり9円の人経費となり、1円分のコストカットになります。
こういった要因は他にも多くあります。もし店舗で販売しているのであれば、家賃や光熱費も対象となります。ネットショップで売っているのであればサーバー代やドメイン代を計算しなければいけないので、これらをカットすることでも利益部分を増やすことに繋がります。
このように考えていけば、削れるコストは色々と出てくるはずです。ですが、それらを安易に削ってしまえば逆効果です。
人経費であれば、安易に下げれば働いている人の士気も下がり、辞めてしまうかも知れません。そうなると、新たに雇うために採用費をかけることになります。それだけで余分なコストが掛かり、時間も消費することになります。
仕入れ価格についても、品質を下げてコストを落とせば今まで継続して買ってくれていたユーザーが離れてしまい、売上そのものが落ち込むことも考えられます。
コストを下げること自体は簡単ですが、それによって起こり得るマイナスを考えて置く必要があるという点を見れば、最も対処が難しい利益の増やし方でもあります。
だからこそ、常日頃から「何が削れるのか」「どの部分はコストをかけて維持しておかなければならないのか」ということを見定めておかなければならないのです。
時間もコスト
金銭的なコストカットについてをご紹介しましたが、時間もコストだということを知っておきましょう。働いている人の時給が発生しているということを考えれば、金銭的なコストにつながるのですが、それだけではありません。
今まで2時間かけてやっていたことを1時間半で出来るように時間というコストカットをすれば、30分の時間が生まれます。生まれた時間でより回転数を増やすこともできれば、新たに収益ポイントを置くことも可能です。
人経費を投じて金銭的コストが膨らんだとしても、時間的コストが削れれば、売上や利益をより増やすことができる可能性があるということです。
時間的コストは、あくまで長期的に判断すべきポイントです。
その積み重ねが資産となり、大きな利益を生むこともありますが、そうならなければ膨大な損失に変わったり、本来であれば得られた利益を逃してしまうようなことにも成りかねません。
ですが、時間的コストを上手く削り、効率化していくことでしか、継続的に収益を拡大していく方法はありません。だからこそ、どのコストをカットすべきなのかという見極めは、稼ぐということにおいて最重要なのです。
税金を貰う
個人事業主、企業であれば押さえて置きたいのが税金の知識についてです。
税理士や会計士のように、その全てに精通しておく必要はありません。ですが、その基本構造だけでも理解し、どういったことに使われているのかを知れば、それを活用して売上や利益に繋げることができるのです。
節税ではありません
独立や起業した人のほとんどが、税金と上手く付き合うということを考えれば節税が思い浮かぶでしょう。ですが、今回ご紹介するのは節税ではありません。
節税であればコストカットの項目で考える方が妥当でしょう。あくまで支払う費用を小さくしているだけであり、増えているのではないからです。
では、税金で利益を増やす(貰う)というのはどういうことなのでしょうか?
それは、助成金を活用するということです。
コロナショックで制定された特別給付金などといった特殊なもの以外にも、年間で多くの助成金が出ています。
中小企業を応援するものや、新規ビジネスを支援するものなど、種類も金額も多様です。国や市区町村などが支払ってくれるものもあれば、企業が支援してくれるものもあるので、その全てが税金で賄われているということではありませんが、その大半が税金等恩恵を受けて成り立っているのです。
例えば、新しくシステムを導入することで、時間的コストを削ることができます。その分導入にかかる金銭的コストは増えていますが、それを助成金で数%補填できれば金銭的コストを押さえつつ時間的コストカットが成立します。
このように、上手く助成金を活用することで、金銭的なリスクを軽減しつつ、コストカットや収益ポイントを増やす取り組みができるということです。
他にも、助成金を活用して直接売上に繋げるような方法もあります。以下の記事でまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
助成金を先行させない
ここで1点注意が必要です。
それは、助成金にとらわれすぎることで結果的には無駄な投資となってマイナスを生んでしまうことです。
そういったことの大半が、助成金が先行しているというケースにあります。
あくまで、やりたいことや挑戦したいこと、または新たに開拓したいものがあって初めて助成金を活用することで利益に繋がります。
ただ応募されている助成金をかき集めようとして、その要項に合ったものに対して無理やり挑戦すれば、その結果が利益に繋がらず、助成金で補填された金額以上のリスクをかかえることも考えられます。
そうならないためにも、常日頃からどういった展開をしていくのか、新しい販路はどこにあるのかを積み立てていくことが大切です。そして、それにマッチする助成金があって初めて成立するということを頭に入れておきましょう。
活用方法は様々ですが、そのためにリスクや見当外れの労力や投資をしていては、本末転倒だということです。
収益地点をズラす
最後にご紹介するポイントは、売上や利益に直結する「収益地点」についてです。
物を売っている場合、「物を売る」というその時こそが収益地点となっています。ですが、これを上手くずらすことができれば、労働量を下げつつ収益を増やすことへと繋がります。
ですが、あくまで応用的なことであり、始めから収益地点をズラすことを考えてしまえば成立しないということも押さえて置かなければなりません。
労働量を減らし収益を増やす
HP制作をしている会社で考えてみましょう。
依頼を受けたサイトを提供することで収益が発生するので、収益地点はサイトを作ることです。ですが、もし良い外注先を確保できていれば収益ポイントをズラすことが可能です。
紹介料として外注先から報酬を貰うこともできますし、依頼内容を外注先へ伝え、作ってもらったものを提供することで報酬を得れば、作ることではなく提供することが収益地点となります。
こうすれば、労働量も格段に減らすことができ、その分対応できる案件数も増えて収益を増やすことができます。
ここで注意しておかなければならない点は、最低限の知識やノウハウが必要だということです。
外注先に頼むにしても、100%を任せてしまえば必要なものが欠けていたり、本来はそこまで手間のかからないようなことで請求を上乗せされてしまうようなことに成りかねません。
また、クライアントの要望を理解しきれず、見当違いの外注をしてしまようなことにも成りかねません。
収益地点をズラす最たる例がコンサルティング業務です。
人脈だけを頼りに、必要な業種だけを揃え紹介するようなケースは多いですが、実際にその企業に必要な要素などを理解していなければ、そもそもの目的が達成できないということになってしまいます。
また、依頼する業種に精通をしていなければ、コンサルティング自体を頼む気にもならないのがほとんどでしょう。
自ら実績を積んでいくことで、収益地点をどうズラせば労働量が減り、収益を伸ばしていけるのかを考える必要があるため、安易は取り組みは成立しないということも頭に入れておきましょう。ですが、より展開力を高めて稼ぐためには、少しずつポイントをズラしながら最適な収益地点を見つけ出すことです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は「知って得する!お金を稼ぐための実践的な3要素」についてご紹介しました。
コストを減らしたり、助成金を活用することで間接的に利益を増やすことは、時間の経過とともに莫大な金額になります。そして収益地点を理解し、それを上手くシフトしていくことが収益を拡大し、企業としても成長するためには押さえておかなければならないポイントなのです。
これからビジネスの世界に足を踏み入れようとしている人や、現在収益を上げるために試行錯誤している人は、ぜひ参考にしてくださいね。
基本的な3要素はコチラ