セカンドキャリアとしてプログラミングやデザインを学習したい
そう考えてスクールを受講したり、独学で始める人が増えていますが、そのほとんどが実らずに挫折してしまいます。
ですが、学習方法と経験の積み方や職の選び方さえ間違えなければ、技術を身につけてフリーランスとして活動することも難しくはありません。
今回は「未経験からWeb系エンジニアとしてフリーランスになる現実的な方法」について、学習方法から実務経験の積み上げ方、独立をするタイミングについてを、私の経験を元にして説明します。
作るときはユーザーを想定する
もしサイト作りやWebアプリケーションの開発という路線でいくのであれば、実際にプログラミングに挑戦して、作ることから始めなければなりません。デザイナーであれば、チラシ作りやWebデザインを実際にやってみることです。
ですが、ただ闇雲に作るだけでは意味がなく、それを使うユーザーを想定できていなければなりません。なぜなら、ユーザーがいないものは判断基準が曖昧になり、必ずと言っていいほど妥協点にまみれた作品になってしまうからです。
これは就職活動で使用するためのポートフォリオであってもです。
もし仮に飲食店のサイトを作るのであれば、実際に存在しているお店を想定したり、架空でもお店を用意して、どんなメニューを推していて、その店の魅力が何で、どういったお客さんを呼び込みたいのかなどを設定上で作り上げて行く必要があります。
プログラミング学習の落とし穴
最もこのユーザー想定が甘いと言えるのが、現在ブームになっているプログラミング学習をそのまま講習通りに進めてしまっている人たちです。
現場で使われているような実践的なフレームワークを学習したり、汎用性のある機能を作っていたとしても、それを使用するユーザーが想定できていなければ、学習したとしても定着することはありません。
「これできたからと言って、実際何に使うの?」
といった声を聞いたり、ツイートを目にすることもかなり多いです。
これは、完全にプログラミング学習そのものが目的になってしまっていて、それで何を作るか、何のために作るかという本質的な部分を完全に見失っています。
作って終わりは無駄
プログラミング学習でログイン機能など汎用性のあるものが実装できたとしても、そこで終わってしまっては完全に無駄です。
そこには前項で説明したように、何のためにログインをしたのか、何故ログインが必要だったのか、本当にそのログイン機能が正しかったのかという点が見えていないからです。
もし機能を単体で作る場合は、それを他でシステムやサイトを作ったときに使いまわしができるぐらい汎用性があるようにできていれば、そこには目的と理由が存在していますが、実際にそれを使ったサービスを提供したことがなければ、作ったものが本当にその条件を満たしているのかは甚だ疑問です。
サイトでもシステムでも、またはチラシやWebデザインでも構いませんが、そこに対してビジネスモデルが見いだせないものは、作ってもただの自己満足として終えてしまい、せっかくの学習成果も頭には残らないという結果になるのがほとんどだということです。
基準は誰にでも見せられるかどうか
作ったはいいものの、それを人にみせるのは恥ずかしいと考えてしまい込んでしまう人は、そこから成長することはありません。
なぜなら、人の目に触れて評価を貰うことで、初めて自分にとって成長が訪れるからです。
ただ作ったものを披露するだけでは、評価どころか誰の目にも触れないことがほとんどですが、見られるかも知れないという緊張感がその作品の粗を発見することに繋がります。
恥ずかしいと感じることは全く悪いことではありませんが、それを閉じた世界へ置いてしまうことは、非常にもったいないと言わざるを得ません。
学習のための就職は賢い選択
転職を何度も繰り返している人を、日本ではあまり良くないことだと見てしまいがちですが、その目的が学習ということであれば理にかなっているので、全く悪いことだとは思いません。むしろ賢い選択だと思っています。
なぜなら、実務を経験することが最も学習効果が高いからです。
実務が一番の学習
プログラミング学習でスクールに通ったり、書籍を購入して独学しても、なかなか思ったようには身につきませんし、前項で説明したような「ユーザーのいない作品」を作り続けてしまうようなことになってしまいます。
どんな技術が現場で役立つかもわからなく、プログラミングの場合であれば、ほとんど実務では活躍しないような関数を理解するのに時間を要したり、デザインであれば、かなり使用範囲が限定されているエフェクトの付け方を覚えてしまうようなことになりかねません。
ですが会社に就職すれば、降り掛かってくる課題はほぼ実務に直結しているものです。
実際にクライアントの要求を聞いて作るサイトと、自分が作りたいように作るサイトでは経験値としては天地の差があると言っても良いでしょう。
中には、簡単な業務ばかりを請け負うような部署に回されてしまったり、下請けの制作会社で大規模なシステムを受注するようなことがなかったとしても、実務に触れることはクライアントのニーズを知れたり、価格や納期などといった実際に現場に出なければわからなかったような基準を身につけることにもできます。
制作会社以外でも希望はある
ここで多くの人が問題として抱えているのが、制作会社に入るための学習はどうすればいいのかという点でしょう。
確かに完全未経験OKなどでなければ雇用は難しいという会社は多いので、特に中途の場合であれば、ある程度学習を積んで最低限の理解をした状態で応募することにはなります。
そういった人のために、スキルアップできる転職先探しをご紹介しましょう。
会社によっては、そういったIT系スキルをもった社員がいないが、いると助かると考えているところは非常に多いので、それを利用するという方法です。
私の知り合いは豆腐を販売している会社に事務職として就職して、パッケージデザイン等を担当している人がいます。
これは、面接の際にデザインソフトを趣味で使っているということを伝えたら、是非自社のパッケージを作って欲しいと言われ、任されることになったそうです。
私が新卒で勤めた会社は福祉関係でしたが、自社の古くなったHPを更新して欲しいと言われたので二つ返事でOKして、そこからスキルを磨いていきました。
もちろん、HTMLの知識はほぼ皆無でしたが(brが改行ぐらいは知っていました)、自社のHPということも有り、自由にカスタムさせてもらえたので知識を身に着けながら完成させることができました。
Illustratorは少し触ったことがあったので、会社内で使うイベントのチラシやポスター作りもさせてもらい、こちらも実務を経てかなり自在に扱えるようになりました。
もし未経験で学習に時間をかける金銭的余裕や時間的ゆとりが無い方は、制作会社にこだわらずに職を探し、自分がそういったことに興味があるということをアピールして開拓してみるのも良いでしょう。
退職で仕事を確保する
ここまで学習方法や実務による経験を積む方法をご紹介しましたので、最後に独立するタイミングについてを説明します。
フリーランスになろうとしても、一番最初に頭を過るのが「仕事が受注できるかどうか」という点です。
ですが一度就職を経ていれば、その会社から業務を頼まれることで仕事を確保し続けることが可能です。
これは、就職をして退職をしたから得られる最大のメリットとも言えます。
制作会社であれば、仕事を受けても作れる人がいなかったり、余裕がないからと言って断ってしまうことがあります。ですが、外注に信頼できる人がいれば仕事があるときだけ頼み、無い時は報酬を払う必要がないので、制作会社側にとってもメリットになることが多いです。
また、後半に説明したような制作会社以外でHPやチラシを作っていたケースであれば、新しくそういった人を雇おうにも、どういったスキルを持っている人が適しているかがわからず、そのまま外注として頼み続けてくれることが多いです。
フリーランスを目指す人は、思い切った決断をするよりも、こういった安全なルートを確保して進むことを強くオススメします。
仕事がとれるかどうか分からないといった不安は必ずストレスになりますので、それを乗り越えるためには我慢強く岩を叩き続けるような根気強さが必要です。
実務の経験を積んである程度のノウハウが身につけば独立したいことを伝え、そこで仕事をそのまま頼みたいと言われたときがベストなタイミングです。
フリーランスとして安定すれば、起業して会社を作ることを視野に入れられるので、そういった野望を実現したい人にとっても、一度就職するという選択肢はメリットが多いということがわかるはずです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は「未経験からWeb系エンジニアとしてフリーランスになる現実的な方法」について説明しました。
未経験だがプログラミングやデザインのスキルを身につけてフリーランスとして活躍したり、将来的に手に職をつけておきたいと考えている人は、ぜひ参考にしてくださいね。