定期的に書きたくなるコラムのコーナー!
今回は、迷惑メールやSNSのDMを活用した悪質な勧誘、巷で流行っているお金配りを隠れ蓑のした巧妙な詐欺的手法などをいくつかご紹介、その対策・リクス回避の方法をまとめました。
まず結論からお伝えすると
「怪しいと思うなら手を出すな」
です。その詳細を知りたい人は、ぜひ本記事を読んで参考にしてください。
お金を配る理由とは
まず最初に注目したいのが「お金を配る」についてです。SNS、特にTwitterを中心にお金配りをする人が目立っています。「毎日〇〇名に10万円プレゼント」「抽選で100万円プレゼント」など、見るからに怪しいものばかりです。
しかし実際に貰っている人がいたり、その応募方法が簡単且つリスクが無いと感じてしまうと、人は欲に負けて応募してしまうものです。そんなときに慎重になってほしいのが「本当にリスクがないかどうか」、そしてお金を配るその人が「何を目的にしているか」です。
配ることで得られるメリット
人や組織(会社)は理由なくこうどうするようなことは原則として有りません。それが時間や労力、お金がかかるとなれば尚更です。
そんな中、巷でお金を配っている人のほとんどが「ボランティア」「みんなに幸せになってほしい」という名目でお金を配っています。ですが、それがあなた自身納得ができなければ、それは理由として成立していません。
飢えに苦しんでいる人に、あなたは魚を与えますか?それとも魚を釣る方法を教えますか?
この有名な問いに、多くの人が「魚を釣る方法を教える」と回答します。もちろん、その現実に直面すれば、魚を与えるという選択肢を取ってしまう人も多いかも知れませんが、本当にその人を救うべきであれば、ものを直接与えてしまうことは逆効果なのです。
これを、流行りのお金配りに置き換えてみるとわかりますね。お金を配ることは、実は人を依存体質にしてしまい、突き詰めていくと「その人のスキルを得るチャンスを潰している」ことになるのです。
警戒すべきポイント
そうは言っても、目の前に現金をぶら下げられると手を出したくなってしまうものです。なので、警戒すべきポイントをより具体化することで対策を練ってみましょう。
迷惑メールや詐欺の殆どが、相手から個人情報を抜き取ることを目的としており、それを利用してお金をだまし取ったり、悪用することで利益を得ています。お金を配るという宝くじ的手法で、もし当選通知が来れば、ほぼ間違いなく個人情報を提供する必要が出てくるでしょう。それこそが、この手法においては最もわかりやすい「リスク」なのです。
しかし、多くの人がここで「リスク」を見誤ってしまいます。
「口座情報がバレても暗証番号がわからなければ大丈夫」
「個人情報が知られてもお金には直結しない」
これらが「まだ大丈夫」だと判断するセーフティーラインとなっているのです。しかし、実はこれだけでも十分に悪用することで利益を得ることは可能です。
まず、個人情報には住所や電話番号、生年月日などがあります。これらを辿っていくことで、車のナンバーが発覚したり、交際関係、出身校などネットワーク上に広がっているものが結びついていき、情報として抜き取られることになります。ここから、クレジットカードや講座の暗証番号を特定されることもあり、そうなれば住所が知られている以上「空き巣」のターゲットとしてリストアップされる危険性も出てきてしまいます。
また、お金が必要ということでターゲットリストに含まれることで、それが闇金業界などに出回ってしまい、知らずうちに危険にさらされてしまう可能性もあるのです。
更に悪質な手口として、抜き取った個人情報を使って連帯保証人として契約したり、その情報を使って金融会社からお金を借り、その一部を当選金額として支払うようなことも実際に起っています。
その場では臨時収入のように思えたお金が、実は自分が知らないところで借金をされてその一部を受け取っていただけに過ぎず、10万円のプラスが100万円のマイナスに早変わりするようなことも珍しくありません。
参加しない理由を具体的にする
簡単にピックアップしただけでも、これだけの危険が潜んでいるので、それを生業としている人たちからすれば、更に数十・数百通りの悪質な活用方法があると考えて置くほうが自然です。だからこそ「参加しない理由の具体化」がリクス回避の手段として必要になります。
騙されてしまう多くの人が、わからないことに対してメリット部分だけに注目して判断してしまいがちです。ですが、本当に目を向けなければいけないのは「デメリット」であり、「わからない」という事自体が十分なデメリットであるということです。
「わからないので、やめておきます」
これは非常に正しい選択です。仕事に置き換えると「わからないからやるんだ」「わからないで終わらせない」などが正しいことのように言われることがほとんどです。それはあくまで、お給料をもらって望んでいるからこそ成立しているだけであり、勧誘やサービスを受ける状況下では全く当てはまりません。
お金配りに関しても同じで、運営する相手の意図がわからなければ危険視すべきです。自分のメリットだけを先行させてしまえば、気づかないうちに抜け出せない状況下に陥ってしまいます。
スーパーで「100円のりんご」と「10円のりんご」が並んで売られていると「何故?」と思うのが当たり前です。見切り品なのか、産地による違いなのか、それが「全く一緒」と言われて「じゃあ10円のりんごを買います」という人は、リスク管理が甘いと言わざるおえません。
そこで、10円の理由を明確にして納得をした上で購入するりんごを決めてこそ、「参加しない(買わない)理由の具体化」なのです。
悪質メール・SNS勧誘の罠
前項に引き続き、巧妙な詐欺的手法についてもう少し掘り下げていきましょう。その1つが「悪質(迷惑)メール」です。
楽天やamazonを装ったメールが届くことが増えており、そのブランド名に気づかずまんまと罠に引っかかってしまう人が多く、この手の迷惑メールは絶えることがありません。また、SNSに関してはDM・メッセージなどを通して話を持ちかけてきて、怪しいビジネスへ参加させたり、価値のないものを売りつけることが多発しています。
SNSであれば、フォロー等による一方的なアプローチが比較的容易ですが、メールに関しては「そのアドレスの存在」自体が知られていなければ送ってくることができないため、何故そのようなメールが届くのかと疑問に思っている人も多いはずです。
これが、実は前項で説明したようなお金配りなどと繋がっていたりします。連絡用にメールアドレスを求められ、それがリストとして出回ってしまうことで、見知らぬ相手からのメールが届いたりします。SNSによるアプローチも実は同じだったりするのです。
悪質な業者は、ただ単に無差別で個人情報を集めているわけではありません。その真意は「騙されやすい人の個人情報が欲しい」です。
ガードが甘い人であれば、100回に1回は騙される可能性があります。これが低確率だと感じるかも知れませんが、1回1時間分の労力しかなく、1回の成功で1000万円えられるとすると、単純計算で1日5時間勤務で1ヶ月働いて1000万円得ていることになります。
これこそが、悪質な手口で得られる利益の実態なのです。
巧妙な手口
迷惑メールや勧誘DMの内容は、回数を重ねることに情報として蓄積していき、そのテクニックはレベルアップして年々巧妙なものとなっています。
例えば、amazonや楽天からの迷惑メールであれば、表示されているアドレスは公式のものだが、そのリンク先は違っていたりします。HTMLタグで表記すると以下のような状態です。
<a href="詐欺サイトへのURL">Amazonの公式URL</a>
その内容を精査して見抜く能力ももちろん問われますが、覚えのないものは徹底的に無視をする、まずは調べてみるという選択肢を持つことも、現環境下では求められています。
amazonや楽天からいきなり「個人情報の更新」や「アカウント停止の連絡」が来ることは、冷静に考えれば有りえません。パスワードの変更などセキュリティの関係で定期変更を推奨している可能性はあり得ますが、もし不審に思えばサポートデスクへ質問を投げかけてみるだけでもリスク回避となります。
仕掛ける側は、常々「どうやったら上手く騙されてくれるか」を考えて行動しています。それに対抗するためには「どうやれば騙されないか」を意識して行動するしか、基本的には対応できません。そして更に気をつけて置きたいことは「騙されないためにお金を払う」という選択肢は、基本的に間違いであるということです。本来の目的は「騙されてお金を払わないこと」です。それに対抗するためにお金を払ってしまえば、ミイラ取りがミイラになってしまっており、本来の目的から外れてしまっているのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は「お金を配るのは何故?悪質メール・SNS勧誘への対処方法とは」について、そのリスク回避の方法や対策についてご紹介しました。
世の中、あなたが思っている以上に危険が潜んでおり、年々それらは巧妙になり、怪しくない姿へと見た目を変えながら近づいてきています。
最終的にそれらに対抗できるのは「自分自身の判断」です。人任せにせず、そして有耶無耶なまま手を付けてしまわないように、注意しながら様々なツールを活用するようにしておきましょう。